最新!サンフランシスコ、4大サードウェーブコーヒー事情
今一番ホットなコーヒーショップは?
以前にサンフランシスコの4大サードウェーブコーヒー(Sightglass, Fourbarrel Coffee, Blue bottle Coffee, Ritual Coffee Roasters)を紹介してから一年以上が経過したので、最新の事情を含めてアップデートしたいと思う。サンフランシスコといえば、ソフトウエア系のスタートアップが続々と新たなサービスを作り、変化が激しく、また変化を好む街。そんな街においていつも同じコーヒーショップがいいとは限らない。ということで、日常的にコーヒーショップを訪れている私がここ最近感じていることを綴りたいと思う。
Sightglass Coffee/サイトグラス・コーヒー
この一年の間に最も躍進が目立ったのはサイトグラスコーヒーだろう。2014年2月にミッション地区に新たなお店をオープンしたのだが、そのお店はソマ地区にある旗艦店のオシャレでカッコいい雰囲気はそのままにして、スタイリッシュながら、少しレトロな感じのする、ミニチュアバージョンといった感じ。上の写真はその入り口の様子で下写真は店内の様子。新しく入った白地に木目が特徴の、ラ・マルゾッコ社のエスプレッソマシーンも格好良い。 ミニチュアといえども、店内奥にはプロバットの焙煎機(焙煎機も店のサイズに応じてミニチュアになっているところが可愛い)を置き、焙煎の過程を楽しめる。 ソマ地区にある旗艦店(上写真)の方の焙煎機は、以前は常時稼働といった雰囲気ではなかったような気がするが、現在は旺盛な需要に応じてか、常に稼働している状態を目にする。それにより、販売用の豆を確認したところ、種類が増えたにも関わらずフレッシュな状態が保たれるようになった。品揃えはシングルオリジンに力を注ぎ、16種類を取り揃え、ブレンドは1種類のみというのも潔くて好きだ。 また、サイトグラスはメニューの品数は決して多くないものの、その1つ1つが美味しい。 バニラアイスコーヒー 4ドル(Vanilla Iced Cold brew $4)
最近の私のお気に入りはこのアイスコーヒー。ここ最近暑かったサンフランシスコでは、どのコーヒーショップもアイスコーヒーを提供していたが、私はサイトグラスのものが一番好みだった。バニラの香りと、明るい酸味のコーヒーがマッチして、とても美味しい。甘くないのも私好みだ。甘くないと言えば、カフェ・モカも他のコーヒーショップと違って、甘くなく、ビターなチョコレートの味がよく出た秀逸なモカとなっている。
サイトグラスは、お店の雰囲気とコーヒー自体の味で、総合的に私が今一番好んで訪れているコーヒーショップである。
Four Barrel Coffee/フォーバレル・コーヒー
先日6周年を迎えたフォーバレル・コーヒー、相変わらず抜群の安定感を誇っている。フォーバレルの買い付けチームが仕入れる豆は、品質が高いのはもちろんのこと、一貫性があって、飲むとなんとなくフォーバレルっぽい味がするのだ。 ミッション地区にある旗艦店では、通常のカウンターに加え、シングルオリジン専用のカウンターがあり、シングルオリジンのエスプレッソとドリップコーヒーのみを扱っている。常時6種類を取り揃え、季節に応じて品揃えを変えているのは変わらずだ。 シングルオリジンドリップコーヒー 4.5ドル(Sigle-origin drip coffee $4.5)
カウンターで好みを伝えながらセレクトしてもらったエルサルバドルの豆。以前はこの国のものは取り扱ってなかった気がするので、新たに加えたものなのだろう。丁寧に淹れられたシングルオリジンのドリップはやはり格別だ。 トースト 3.75ドル(Country bread + peanuts butter + sea salt $3.75)
2013年にオープンした2号店のザ・ミル(The Mill)では、ベーカリーを併設しているのだが、そこのトーストはとても美味しく、今私がサンフランシスコで最も美味しいと思っているトーストだ。ザ・ミルと、2014年にベイビュー地区にオープンした3号店でこのトーストを取り扱っている。
フォーバレルのコーヒーの美味しさは相変わらずで、加えて美味しいトーストが食べたければザ・ミル、といった具合で、ここも引き続き私が贔屓(ひいき)にしてるお店だ。
Blue Bottle Coffee/ブルーボトル・コーヒー
2013年2月頃に初めてブルーボトルコーヒーを当ブログで紹介して以降も、幾度となく訪れ、その度に一番がっかりしたコーヒ−ショップといえばここだろう。 特にフェリービルディングのお店なんかは、味はイマイチなのにも関わらず、観光客で溢れかえり、まるで観光名所のよう。その他のサードウエーブコーヒーショップがサンフランシスコ内で新店舗をオープンしているのに対して、唯一サンフランシスコ内で店舗が増えていないのもブルーボトルだけ。サンフランシスコ内で飽和、他のマーケットを求めているのだろうか。東京しかりだ。
また、他のコーヒーショップがシングルオリジンに力を入れ、季節に応じて種類を変え、試行錯誤をしながらいい豆を求めているのに対して、ブルーボトルはシングルオリジンの品揃えがあまりなく、常に同じブレンドばかりを販売しているというのも私が飽きてきている原因の1つ。いつ行っても同じブレンドの銘柄(17ft Ceiling, Bella Donovan, Giant steps, Three Africans 等)ばかり。変化が無いというのは、成長が止まったも同然だと思う。 カプチーノ 3.75ドル(Cappuccino $3.75)
こちらは旗艦店のミントプラザ店で飲んだもの。ミルクの味ばかりが目立ち、フォーバレルコーヒーのように、その中にもコーヒーの深みと酸味を感じるような一体感が無い。更に言えば、下にエスプレッソが溜まっていた。
ブルーボトルの特徴である焙煎直後の豆のみを扱うという姿勢は相変わらず評価できるものの、あまりにも品揃えに変化が無く、コーヒーの味も低下中、観光客が多いのも気になる。最近私があえて行くことは無くなったお店だ。
Ritual Coffee Roasters/リチュアル・コーヒー・ロースターズ
2014年8月にミッション地区にある旗艦店をリノベーションして、赤を基調としたデザインから、白い壁と木目を基調とした、落ち着いた雰囲気になり、一気に居心地のいいカフェへと生まれ変わったリチュアル。ペストリー類の品揃えや、エスプレッソマシーンも刷新したようだ。
エスプレッソ系ドリンクの豆とドリップでそれぞれ3〜4種類のシングルオリジンの豆を用意している。また、紅茶やハーブティー等コーヒー以外のドリンクも提供している。以前から問題となっていたWi-Fiは、リニューアルと同時に試験的に廃止したようなので、Wi-Fiがあるが故に長時間居座っていたPCユーザー達は、Wi-Fiがオフのままとなれば今後一掃されるであろう。 カフェ・モカ 5ドル(Mocha $5)、カプチーノ 3.75ドル(Cappuccino $3.75)
リニューアルということで早速訪れてみたが、このモカは私には甘過ぎた。やはりモカはサイトグラスに限る。カプチーノはミルク感が強めでブルーボトルのものに似た印象を受けた。
居心地が格段に良くなったリチュアル。ヘイズバレー地区にあるポップアップも含め、今後も機会があれば行くだろう。
以上、4大サードウエーブ・コーヒーショップのアップデートをお届けした。一番始めのタイトルにある問い「今一番ホットなコーヒーショップは?」の問いへの私のアンサーは、サイトグラスである。但し、フォーバレルとザ・ミルのセットも捨て難い。なお、今回のレビューに応じて、各コーヒーショップの点数も修正した。
新進コーヒーショップ
先日ご紹介したリネア(Linea)や、コーヒー・バー(Coffee Bar)、セイント・フランクス・コーヒー(Saint Frank’s Coffee )など新たなコーヒーショップも生まれている。それについては、今後順次紹介していきたいと思う。