最高の夜景とアラン・デュカス氏のコラボ MIX/ミックス（フレンチレストラン）総合82点

最高の夜景とアラン・デュカス氏のコラボ

引き続きラスベガスについて。フレンチの巨匠 Alain Ducasse（アラン・デュカス）氏のレストラン。彼は33歳という史上最年少でミシュラン3つ星を獲得、かつ史上初の異なる国でミシュラン3つ星を獲得した、フランス産まれモナコ国籍のスターシェフである。彼のレストランは銀座シャネルビルにあるベージュ（Beige Alain Ducasse Tokyo）、ニューヨークのSt. Regis（セントレジス）ホテルにあったAdour（アデュール ※現在は移転してワシントンD.C.のセントレジスホテル内にある）を訪問して以来、3店舗目の訪問。現在アメリカに彼のレストランはNYのBenoit,ワシントンD.C.のAdour,ラスベガスのMIXの3店舗となっている。
場所はマンダレイベイホテルの新館 “The Hotel” の最上階である64階にあり、レストランの横にはバーラウンジが併設されている。マンダレイベイはストリップのホテルの中でも一番南に位置しているため、ラスベガスの夜景が一望できる絶景のレストランだ。ラスベガスにミシュランガイドが発行されていた2008−2009年当時は一つ星を獲得していた。

店内は泡のシャンデリアをイメージした丸いハンドメイドのグラスボールが無数にぶら下げられており、ゴージャスながらコンテンポラリーでセンスの良い店内。このグラスのボールはニューヨークのAdourでも見かけたが、その数はラスベガスが圧倒的に多い。
また、4.5mの高さを誇るワインセラーには約7,000本のワインがストックされている。

屋内でも一部の席では夜景が見れるのだが、屋外が絶景の夜景が楽しめるスポットとなっている。屋内か屋外のいずれかを選ぶことが出来たので、寒さ加減をチェックして屋外を選択。こちらがそのポイントから見える夜景。ここに来れば、夜景を見るために中心部から離れたストラトスフィアタワーまでわざわざ行く必要は無いと思う。

席に着くとサーブされるパンはシンプルなフランスパンやフォカッチャ等、4種類程用意される。また、付け合わせのバターは通常のパターとピーナッツバター入りの2種類。パン自体は美味しいがちょっと冷えていたのが残念。

スパイシークラブサラダ 20ドル（Spicy Crab Salad $20）
グアカモーレというアボカドを潰して作るソースがベース部分にうっすら緑で確認できる。蟹のほぐし身を和えたものの上にはたっぷりと野菜が乗っている。普通に美味しいのだが、あくまでも普通というレベル。

フォアグラのソテー 32ドル（Seared Duck Foie Gras $32）
アランデュカス氏のスペシャリテだけはメニューで別セクションとなっており、そこからセレクト。カリフォルニア州では2012年7月よりフォアグラの提供が禁止されてしまったため、禁止されていないネバダ州ではここぞとオーダー。クランベリーとざくろを使った甘めのソースがかかっている。クラシカルなフォアグラのソテーだが、もちろん美味しい。

ロブスターのロースト 49ドル（Roasted Maine Lobster “Au Curry”）
こちらもアランデュカス氏のスペシャリテからセレクト。カレー風味のソース（といっても主張は強くない）とココナッツで味付けされたバスマティライスというインドの高級米をロブスターの下に敷いた変わった組み合わせの一品。ロブスターは大振りのものが丸ごと1匹入っており、ぷりぷり感もしっかりしており食べ応え十分。ソースは個人的には食べ慣れた繊細なブイヨンやバターのソースの方が好みだが、これはこれで美味しい。

フィレミニョンのステーキ 44ドル（Filet Mignon $44）
普通のステーキか、上にペッパーを粉砕したものを乗せるか選択できるが、今回はペッパークラッシュを選択。肉はUSDAプライムという等級の肉で、USDAというアメリカの農務省が決めている等級の最高ランクで全体の3%しか流通していないお肉である。サイズは7oz（約200g）でボリューム感たっぷり、分厚くカットされていて中はレア、かつ火入れが完璧なのでとてもしっとりしていて柔らかい。ソースが写っていないが別容器で付いてくる。

アスパラガスのソテー 12ドル（Sautéed Green Asparagus $12）
サイドディッシュは別オーダーとなっている。かなり太めのアスパラガスがStaubのプレートに入って出てくる。バターと塩で味付けされており、シンプルながらジューシーで美味しい。

マッシュルームのフリカッセ 10ドル（Wild Mushroom Fricassée $10）
椎茸やえのきなど日本のきのこ類を含む複数のマッシュルームが入っており、フリカッセというクリームソースで仕上げられている。クリームといっても大分クリーム感が薄く、好みの味付け。ここは付け合わせのサイドディッシュが別オーダーだが、何れも美味しいので追加注文することをお勧めする。

タルトタタンとキャラメルのパルフェ 10ドル（Apple, Quince & Caramel $10）
このデザート、本当に秀逸だった。りんごとマルメロ（洋なしの仲間）を使ったタルトタタンに、キャラメルのムース、青りんごのソルベが付いている。甘過ぎないのはもちろんのこと、しっかり煮詰められて口の中で溶けるようなタルトタタンに、キャラメルのほろ苦いビター感と、青リンゴのソルベの爽やかな酸味が相まってとても美味しい。