Mikkeller Bar/ミッケラー・バー(ガストロパブ)総合78点

40種以上という圧倒的な品揃えのクラフト生ビール

mikkeller-ent先日ご紹介したイングリッシュパブのザ・キャバリエ(The Cavalier)に続き、ユニオンスクエア界隈のお店をもう一件ご紹介しようと思う。ユニオンスクエアから徒歩でマーケットストリート方面に5分程歩いたところに、2013年にオープンしたばかりのガストロパブ、ミッケラー・バー・サンフランシスコ。21歳以上しか入店出来ず、入り口でIDチェックがあるので、身分証明書を忘れずに持参していただきたい。

mikkeller-signデンマークのミッケラーというクラフトビールのブルワリーを有するミッケル氏(Mikkel Borg Bjergsø)と、オークランドにあるクラフトビール店、トラピスト(Trappist及びTrappist Provisions)のファウンダー、チャック氏(Chuck Stilphen)とのパートナーシップによって実現したお店。ミッケラーは醸造所を持たず、間借りして生産しているにも関わらず、緻密で計算されたレシピで他とはひと味違う独創的なビールを創ることで有名で、世界中にファンを持つ新進気鋭のビールメーカーだ。

mikkeller-insideお店を入ると、通路の先にはメインのバーカウンターと、それを囲うようにダイニングルームがあり、倉庫を改装したようなパイプや柱がむき出しのインダストリアルな雰囲気が広がっている。レンガの壁と、程よい照明もいい感じでオシャレ。

mikkeller-barcounterこのお店の特徴は、何と言ってもそのドラフトビールの品揃え。下写真のミニマムなデザインがカッコいいツヤツヤのビール・サーバーが4つあり、そこから40種類以上の生ビールが出てくるようになっている。

mikkeller-beertapビールはまるでレストランのメニューのように日替わりで入れ替わっているので、何度行っても楽しめる。実際に同行者は2回目の訪問だったのだが、前回見たメニューはほとんど無いという。生ビールのメニューだけで1ページ分もあって、迷ってしまう。

mikkeller-draftmenuこのお店のドラフトビールは、個々のビールに応じて最適な温度になるようコントロールされており(世界的に見ても珍しい温度管理システムを用いているようだ)、メニューが45°(摂氏7.2℃)、40°(4.4℃)、55°(12.7℃)と提供する温度によってカテゴリー分けされているというのも面白い。この最適な温度によって、ビールの持つ全てのフレイバーが失われないようにしているそうだ。

mikkeller-sunstoneサンストーン・ビール 7.5ドル(Amager/Three Floyds Arctic SunStone | Pale Ale $7.5)
摂氏7.2℃で提供されるゾーンより。店員さんにお勧めを聞いて頼んだアメリカン・ペールエール。香りがとても良く、お花のような匂いがする。フルーティで柔らかい苦味と少しの甘みを感じ、私が好んでよく飲んでいるベルギービールに似ている。美味しい。

mikkeller-factionnorcalミッケラー・テンダーロイン・ペール 6.5ドル(Mikkeller Tenderloin pale | Pale Ale $6.5)
摂氏7.2℃で提供されるゾーンより。このお店で一番人気のミッケラー・テンダーロインシリーズ。テンダーロインの名前が付いたものが4種程あったが、こちらはアメリカン・ペールエールのもの。先に頼んだSunstoneに似ているが、シトラスのフレーバーを感じる。こちらも美味しい。

mikkeller-charcuterieシャルキュトリのプレート 15ドル(Charcuterie $15)
3種で15ドル、5種で24ドルで、お肉とチーズのセレクションから好きなものを選ぶようになっている。今回は全てこのお店の自家製のお肉のセクションから。左から順に、スパイシーなサラミ(calabrese)、生ハム(prosciutto)、軽くスモークしたホッキョクイワナ(arctic char)。arctic charというのが何か分からず注文して魚だったのでやや面食らったが(アメリカではたまに魚もMeatの分類に入れられていることがある)、味はスモークサーモンに近く、美味しかった。

mikkeller-musselsムール貝のビール蒸し 12ドル(Prince Edward Island Mussles $12)
ビールバーだけあって、ワイン蒸しではなく、ビール蒸し。スープはスパイシーなトマトベースのものだった。ムール貝も、上にのっていた酢漬けしたオニオンもちょっと固めであまり美味しくなかった。

mikkeller-factionファクション・ビール 6.5ドル(Faction NorCal Beer Geeks | IPA $6.5)
摂氏7.2℃で提供されるゾーンより。サンフランシスコの対岸にある、アラミータという街の、
Faction Brewingで作られているIPAビール。とてもホッピーな味で、後からIPAらしい苦味が出てきて、こちらも美味。

mikkeller-byuddermeansバイ・アダー・ミーンズ・ビール 8.5ドル(By udder means | Milk Stout $8.5)
こちらは摂氏12.7℃で提供されるゾーンより。ナッツのフレーバーがあって、先月スーペンクーシェで飲んで美味しいと思ったビールに似ている。

mikkeller-burgerクラシック・バーガー 17ドル(Classic Burger $15+$2)
チーズ無しは15ドルでチーズを足すと+2ドル。これといって特徴は無い正統派なハンバーガーなのだが、使っているお肉が美味しいからなのか美味しかった。中はしっかりミディアムレア。

mikkeller-burger2欲を言えば、ちょっと酸味を足すとか、もう少し複雑な味にしてもいいと思うのだが。バンズはちょっと硬め。フライも分厚くて少し硬めの仕上がりだが、それはそれで美味しかった。

訪問は木曜日の午後6時過ぎという、バーにしては早めの時間だったにも関わらず、20〜30代の若い仕事帰りのお客さんで満席状態。私はカウンターでビールを注文し、10分程待ってから席に着く事が出来たが、時間帯によっては1時間程待つこともあるようだ。ちなみに帰る頃には、更に混雑していて、立っているスペースもあまり無いくらいの混雑っぷりだった。恐らく今サンフランシスコで、最も混んでいるバーのうちの1つだろう。予約は取れないので、行って待つしかない。

mikkeller-standingビールが美味しいことで有名なスーペンクーシェと比較すると、ビールの量は少ないが、ドラフトの品揃えが素晴らしいし、どれも美味しかった。何よりミッケラーのビールがドラフトで飲めるのは嬉しい。ビールファンなら是非行ってみるといいと思う。バーにしては、お料理もそれなりに美味しくて、なおかつ雰囲気も良いので、流行っているのも当然だろう。今回少人数だったので注文していないが、4人以上いれば、自家製ソーセージのプレートも美味しそうだった。

サンフランシスコでは、ますますクラフトビールが大人気になっており、まさにそんな今のサンフランシスコのトレンドにぴったりのお店だった。木〜土曜は深夜の2時まで空いているのも、使い勝手が良いポイントだ。

補足ではあるが、ミッケラーはユニオンスクエアから近くて、観光の方には非常に便利な立地にあるのだが、テンダーロイン地区といってサンフランシスコで最も治安の悪い場所として知られている地区のすぐ近くでもある。実際、ユニオンスクエアから歩いてくるまでの間に、路上に横たわっている人達を見かけた。特に何かをされるわけではないので、必要以上に気をつける必要は無いが、それより西方面には徒歩でいかないことをお勧めする。

SF BiteBite’s評価(総合78点)

味 30点(40点満点)
コストパフォーマンス 15点(20点満点)
サービス 8点(10点満点)
雰囲気 8点(10点満点)
独創性 8点(10点満点)
清潔感 9点(10点満点)

Mikkeller Bar SF(サンフランシスコ・ユニオンスクエア)

http://www.mikkellerbar.com/
34 Mason St
San Francisco, CA 94102
Phone number (415) 984-0279
THU – SAT: 12:00P – 2:00A
SUN – WED: 12:00P – 12:00A
フルキッチンは夜11時まで