サンフランシスコ・ワインカントリーのミシュランガイド2016

2015年から大きく変化!2016年ミシュランガイド

michelin-top遅ればせながらようやく記事にできるが、今年もミシュランガイドの季節がやってきた。

サンフランシスコ版(ベイエリア・ワインカントリー含む)は、今年で10版目の記念すべきエディションとなった。アメリカの中でミシュランガイドが発売されたのは、2015年に引き続き、2016年もニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴの3都市のみ。やはりこの3都市が、アメリカで食の街として評価されていることに変化はない。
では、2016年のミシュランガイドで、前年から変化した点を中心にご紹介しよう。

今年のミシュランで最も大きなニュースは、長らく3つ星が期待されてきたロス・ガトス(サンフランシスコから車で約1時間南に下った街)のマンレサ(Manresa)が3つ星にランクアップしたことだ。manresa-david-kinch

上写真 新規3つ星マンレサのオーナーシェフ David Kinch氏 出展:http://pursuitist.com/

これにより、2015年のフレンチランドリー、レストランアットメドウッド、ベヌー、セゾンに加えて、ベイエリアで5店舗目のミシュラン3つ星が誕生した。ニューヨークのミシュラン3つ星が6店舗なので、それに匹敵する規模になってきた。マンレサは火事により、6ヶ月間の閉店を余儀なくされていた去年から、見事な復活である。3つ星を取得したニュースを元に、早速マンレサに訪問してみた。結果は3つ星に違わぬ、素晴らしい内容だった。追って記事にしたいと思う。

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上写真 マンレサのエントランス

この5店舗のそれぞれのコース料理の値段はフレンチランドリー:295ドル(サービス料込み)、レストランアットメドウッド:225-500ドル、ベヌー:228ドル、セゾン:398ドル、マンレサ:210ドルとなっている。特筆すべきは、セゾンの150ドルアップ。去年は248ドルのコースをオファーしていたが、今年は398ドルに跳ね上がった。ちなみにベアリングを付けると、プラスで298ドル必要となる。これに税とチップが必要なので、ドリンク無しでも大人二人が食事をすると1,039ドル(約12万5千円)と、1,000ドルの大台を超えるレストランとなってしまった。ペアリングを付けた場合は1,817ドル(約21万8千円)である。
こうなってくると、チップ込みで295ドルのフレンチランドリーが安く感じられるくらいだ。また、ニューヨークのミシュラン3つ星店でも200ドル以下でディナーができるお店(Jean-Georges $138, Le Bernardin $140)があることを考えると、比較してやはり高め。

2つ星は今までの顔ぶれに加えて、オークランドの現代的なカリフォルニア料理店コミ(Commis)と、サンフランシスコのカリフォルニアスタイルのインド料理店キャンプトン・プレイス(Campton Place)が新たに加わった。コミはイーストベイで2つ星を獲得した初めての店舗となった。
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上写真 新規2つ星コミのコース内容の一部。鴨のロースト

3つ星と2つ星に関しては、新たにランクアップした店が加わったのみで、ランクダウンや星を失った店はなかった。

1つ星は、例年にないほどの新店舗の追加ぶりだった。新たに星入りクラブの仲間入りを果たしたのは、All Spice (SF店), Al’s Place, Aster, Californios, Commonwealth, Kin Khao, Lazy Bear, Lord Stanley, Mourad, Nico, Octavia, Omakase, Rasa, Sushi Yoshizumi, Wakoの15店舗。
正確に言うと、インド料理店のオール・スパイス(All Spice)は、元々サンマテオ店が1つ星だったのが、SF店に星が移った格好だ。元々評判の高かったレイジー・ベア(Lazy Bear)や、1つ星のモロッコ料理店、アズィザ(Aziza)のオーナーが新たにオープンしたムラッド(Mourad)辺りは、順当といったイメージ。

この15店舗のオープン時期を見てみると、ほとんどが去年もしくは今年にオープンしている新しいお店ばかり。先日、家賃の高騰の記事でも触れた通り、サンフランシスコは現在空前の好景気。賃料がそれだけ高いので、レストランの価格帯も決して安くはないのだが、それでも連日賑わっているというのが現状なのだ。

このリストを全て訪問したわけではないが、新たな1つ星の中で私のお気に入りはコモンウェルス(Commonwealth)や、 フランセス(Frances)の姉妹店、オクタヴィア(Octavia)、キン・カオ(Kin Khao)、ロード・スタンリー(Lord Stanley)辺り。逆にイマイチだなと思ったのはアルズ・プレイス(Al’s Place)とニコ(Nico)だった(追って記事にしていきたいが更新が追いついていない)。

octavia-inside上写真 新規1つ星オクタヴィアの店内

和食では、サンフランシスコのおまかせ(Omakase)、サンマテオの鮨よしずみ(Sushi Yoshizumi)、サンフランシスコの和香(Wako)が新規で星獲得となった。

逆に星を失った店舗は、サンフランシスコの老舗レストランである、ラ・フォリ(La Folie)とブルバード(Boulevard)。そして、メンロパークのマデラ(Madera)と昨年星を獲得した、サンフランシスコの鮨まるや(Maruya)が星を失う格好となった。

昨年度からの大きな変化は以上。続いて、2016年のミシュランガイドで星を獲得したレストランの一覧をご紹介する。エリア別に店名とロケーションを列記している(ABC順)。

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3つ星 ★★★

【ワインカントリー】
The French Laundry/ナパバレー 詳しい記事はこちら
The Restaurant at Meadowood/ナパバレー

【サンフランシスコ市内】
Benu/ソマ
Saison/ソマ

【サウスベイ】
Manresa/ロスガトス NEW!! (2つ星からランクアップ)

2つ星 ★★

【サンフランシスコ市内】
Acquerello/ノブヒル
Atelier Crenn/マリーナ
Campton Place/ファイナンシャル・ディストリクト NEW!! (1つ星からランクアップ)
Coi/ノースビーチ
Quince/ノースビーチ 姉妹店の詳しい記事はこちら

【イーストベイ】
Commis/オークランド 詳しい記事はこちら NEW!! (1つ星からランクアップ)

【サウスベイ】
Baume/パロアルト

1つ星 ★

【サンフランシスコ市内】
All Spice/ノブヒル  NEW!!
Al’s Place/ミッション  NEW!!
Ame/ソマ
Aster/ミッション  NEW!!
Aziza/リッチモンド
Californios/ミッション  NEW!!
Commonwealth/ミッション  NEW!! 詳しい記事はこちら
Gary Danko/ノースビーチ
Keiko à Nob Hill/ノブヒル
Kin khao/ファイナンシャル・ディストリクト  NEW!!
Kusakabe/ファイナンシャル・ディストリクト
Lazy Bear/ミッション NEW!!
Lord Stanley/ノブヒル NEW!!
Luce/ソマ
Michael Mina/ファイナンシャル・ディストリクト
Mourad/ソマ  NEW!!
Nico/マリーナ  NEW!!
Octavia/マリーナ  NEW!!
Omakase/ソマ  NEW!!
Sons & Daughters/ノブヒル
SPQR/マリーナ 詳しい記事はこちら
Spruce/マリーナ  詳しい記事はこちら
State Bird Provisions/シビックセンター 詳しい記事はこちら
Wako/リッチモンド  NEW!!

【ワインカントリー】
Auberge du Soleil/ナパバレー 詳しい記事はこちら
Bouchon/ナパバレー 詳しい記事はこちら
Farmhouse Inn & Restaurant/ソノマカウンティ
La Toque/ナパバレー
Madrona Manor/ソノマカウンティ
Solbar/ナパバレー
Terra/ナパバレー
Terrapin Creek/ソノマカウンテイ

【ペニンシュラ】
Rasa/バーリンゲーム  NEW!!
The Village Pub/ウッドサイド
Sushi Yoshizumi/サンマテオ  NEW!!
Wakuriya/サンマテオ

【サウスベイ】
Chez TJ/マウンテンビュー
Plumed Horse/サラトガ

また、ビブ・グルマン(Bib Gourmand)という、お料理2品とグラスワインもしくはデザートで40ドル以下というお値打ちな値段で、美味しいものを提供しているお店のリストはこちらに公開されている。私のお気に入りもいくつか入っている。ただし、このリストの一部のお店は、40ドルという予算範囲をかなり超えているお店が多数入っているので注意が必要だ。

2016年のミシュラン星付きレストランの一覧はこちらのサイトで便利なマップ化されているので、興味のある方はどうぞ。2017年のミシュランガイドも楽しみだ。