独占インタビュー!フォーバレル・コーヒーのオーナーJeremy氏
何と日本上陸を計画していることが明らかに!
フォーバレル・コーヒー(Four Barrel Coffee)といえば、サンフランシスコの4大サードウエイブコーヒーの1つで、その中でも日本の雑誌で特集される程の有名コーヒーショップだ。フォーバレルの詳しい記事はこちらを参照いただきたい。
フォーバレル・コーヒーは先日(2013年8月20日)5周年を迎え、店内ではお祭り騒ぎのパーティが開かれた。その店内でオーナーのジェレミー・トゥッカー(Jeremy Tooker)氏の姿をキャッチし、インタビューを申し込んだところ、快くOKしてくれた。実際に会ってみると、ヒップスター的なイメージとは異なり、とても物腰柔らかで笑顔が印象的。お店から徒歩で数分の場所にあるオフィスに移動してインタビューを行った。普段はこのオフィスで働いているようだ。
Q1. 日本は訪れたことがありますか?(質問は全てSf BiteBite!より)
1年半前に東京を訪れたことがあります。渋谷でアメリカのレストランやカフェ等が集まるイベントがあって、そこでフォーバレル・コーヒーを出す為に訪れました。その時はたった数時間でしたが、700カップものコーヒーを提供して、大盛況でした。
Q2. コーヒー業界で働いてどれくらいになりますか?
16年間になります。
Q3. 16年は長いですね。5年前にフォーバレル・コーヒーを開いた時というのはやはり大きな決断でしたか?
いいえ、そんなに大きな決断ではなかったです。その前にRitual(リチュアル)の共同創業者として一度創業していた経験もあり、上手くやれると確信していました。でもリチュアルではいくつかの判断ミスもあり、やはり自分自身でやりたいという気持ちがありました。
Q4. リチュアルでの失敗とは具体的に何ですか?
Wi-Fiが使えるようにしたこと、シングルオリジンよりブレンドが多かったこと、ローストが深過ぎたこと等ですね。
Q5. なるほど、今日の5周年の盛況ぶりを見ても明らかにフォーバレル・コーヒーは成功していますが、今のビジネスの進捗についてどのように感じていますか?
とても上手くいっていて、自分のビジネスの進捗に大変満足しています。新しくオープンしたThe Mill(ザ・ミル)も上手くいっていて、僕自身も大好きなコーヒーとトーストの組み合わせが人々に支持されていると感じています。
また最近買収したサンフランシスコのコーヒーショップ『De la paz(デ・ラ・パズ)』は、フォーバレルとは違ったコンセプトで、シングルオリジンではなくブレンドにフォーカスしています。このお店は僕の新しいコンセプトのチャレンジとしてフォーバレルとは別コンセプトのままブレンドを追求していく予定です。デ・ラ・パズは現在ソマにお店がありますが、今度ノースビーチにも出店する予定なんです。
Q6. 今まで飲んだ中で、ベストカップ・オブ・コーヒーは何ですか?
それは難しい質問ですね、実は新しいフェイバリットが毎週見つかるんです。なので、毎週新しいベストコーヒーが変わるイメージでしょうか。
Q7. 毎週新しいフェイバリットが見つかるとは面白いというか素晴らしいですね、特に好きなコーヒー豆の産地はありますか?
好きな産地はエチオピア、コロンビア、グアテマラ、ケニアですね。
Q8. まさにフォーバレル・コーヒーのシングルオリジン・カウンターの品揃えと同じですね。豆の買い付けはご自身で行っているんですか?
豆の買い付けは常に僕自身が行きます。また、僕以外にもう一人豆の買い付けを行っている人物がいて、通常は彼と一緒に良質な豆を求めて旅をしています。
Q9. フォーバレルでローストしている豆はどれくらい日持ちしますか?
約2週間ですね。豆によっては3週間大丈夫なものもあります。
Q10. 例えばブルーボトル・コーヒーだとローストしてから48時間以内しかフレイバー(風味と味)が持たないので、それ以内の豆しか使わないとオーナーが言っていますが、それより随分長いですね。なぜ長いんですか?
ローストのやり方に違いがあります。短時間で豆をローストすると、フレイバーのピークが早く訪れてそのタイミングで最高潮に達しますが、失われるのも早いです。一方より長時間かけてローストすると、フレイバーのピークが長続きします。その為、ブルーボトルのローストのやり方だと3日目にはフレイバーは失われてしまいますが、フォーバレルはフレイバーを長続きさせるためのローストのやり方を開発しています。フォーバレルのローストのやり方では焙煎したコーヒー豆に含まれる炭酸がきめ細かく入り込み、酸素と結合して発生する炭酸ガスの発生を緩めることで、劣化が遅くなります。(※下写真 ボードを使って説明してくれました)
また、豆自体も標高が高い産地の豆を買うようにしています。その方がデンシティー(密度)が濃い豆になり、劣化を防ぐのに役立ちます。
Q11. なるほど、長時間でローストということはローストの温度も低いということですか?
温度は若干低いです。でも長時間かけて豆をローストするということは焼け過ぎる可能性があるので、緻密な火加減と温度コントロールが必要です。フォーバレルのお店においてあるプロバットの焙煎機は15kgのものですが、その緻密なコントロールを行っています。それより大きな焙煎機を使った方が簡単に温度コントロールが出来るのでローストも簡単なんですけどね。大きなロースターはホールセール向けに使っています。
Q12. サンフランシスコ以外のマーケットへの進出は考えていますか?
アメリカでは、サンフランシスコだけだと思います。でもその他のマーケットにも進出したいと思っています。
Q13. それは日本のマーケットにも興味があるということですか?
実は日本には2015年までに進出しようと考えています。
Q14. おっと、それはまだどの情報ソースにもオープンになっていない情報だと思いますが、このブログで公開しても良い情報ですか?
いいですよ、でもパートナーの名前等はオープンに出来ませんけどね。
Q15. 日本のお店はフォーバレル・コーヒーという名前を使う予定ですか?
それはまだ決まっていません。
Q16. 日本のどこに出店することを考えていますか?
そうですね、それもまだ決まっていませんが渋谷がいいかなと思っています。
Q17. やはり豆はアメリカから輸送ではなく、日本でローストする予定ですか?
日本でローストします。やはり輸送中に酸化でフレイバーが変化してしまうこと、輸送コスト等様々な問題がありますからね。実はもう日本用にブロバットのビンテージを購入したんです。
Q18. 着々と準備は進んでいるようですね。ところでこちらの食器はアースカラーのスモーキーなグレーの色合いといい、触ったときの感覚といい、とてもしっくりきてかっこいいですが、ヒースセラミックスのものですか?
いえ、これはオークランドにある会社のものです。フォーバレル向けに特注で作ってもらったんです。納得出来る品が完成するまでに2年かかりました。新しい食器でコーヒーを出すのが楽しみです。
Q19. いいですね、今日は突然のお願いにも関わらずお時間を頂きありがとうございました。日本でフォーバレル・コーヒーがオープンするのを楽しみにしています。
ありがとうございます。こちらこそ日本で提供出来ることを今から楽しみにしています。
Four Barrel Coffee(サンフランシスコ・ミッション地区)
http://www.fourbarrelcoffee.com/
375 Valencia St (at 15th St)
San Francisco, CA 94103
(415) 252-0800
Mon-Sun 7 am – 8 pm