あまりにも便利なGoogle Shopping Express

Google Shopping Expressと話題の即配スタートアップ

google-shopping-express-site現在Googleが、試験的に行っている当日宅配のショッピングサービスが『グーグル・ショッピング・エクスプレス』。対AmazonでEC分野を強化する狙いがあると言われ、Google自身がこのサービスを運営している。その実証実験をサンフランシスコからサンノゼまでのベイエリアに限定して行っている。

グーグル・ショッピング・エクスプレスは2013年3月末に試験運用をスタートした。試験運用なので、ユーザ数が限られており、サービスを利用するには専用サイトからの申し込み、Googleからの招待というステップが必要。スタート当時にこちらのサイトから、パイロットメンバーへの登録を申し込んで、8月頭にようやく招待メールが届いた。まずは約1ヶ月間使用してみた使い勝手等を綴りたいと思う。

※グーグル・ショッピング・エクスプレスに関しては、以前は招待制だったが、2013年9月25日からは一般提供を開始しておりサンフランシスコからサンノゼにお住まいの方であれば誰でも利用出来るようになった。

招待メールからスタートの仕方

届いてくる招待メールはこのようなメール。この手順に従って下準備を行う。
google-shopping-express-mail
1.  Google Walletのアカウントを作成する
支払いにはGoogle Checkoutを利用するので、まずはGoogle Walletのアカウントが必要である。方法は至って簡単で、こちらのサイトから、決済に必要なクレジットカード又はデビットカードの情報をウォレット上に登録するだけ。

2.  実証実験向けのアーリーユーザー向けの6ヶ月無料同日宅配に登録する
アーリーテスターには、6ヶ月間無料で無制限に当日宅配を受けられる特典に申し込むことが出来る。招待を受け取っただけでは自動で無料宅配にはならないので、必ずこのメンバー登録をする必要がある。やり方はこちらも至って簡単で、指定されたURLから『申し込む』というボタンを押すだけ。6ヶ月が終わった後は1ヶ月毎に無料トライアルを更新してくれるようだ。(※いつまで更新してくれるかは恐らく状況次第なのであろう。)

3.  www.google.com/shopping/express でショッピングスタート!
提供先は以下の実際の店舗となっており、大手チェーン店がほとんどなので、アメリカに住んでいる方であれば街でよく目にするマークばかり。

※追記:一般提供の開始に合わせてiPhone, Androidアプリも登場し、Whole Foods MarketやL’Occitaneなどお馴染みの使えるお店も増え、ますます便利になった。

google-shopping-express-shoplist主に日用品、食品(生鮮食品は除く)、キッチン用品、衣料品、ベビー用品、オフィス用品等を取り扱っている。サンフランシスコらしいところで言うとブルーボトル・コーヒーがこの中に入っているので、コーヒーラバーの方にも嬉しいところだ。但し扱っている豆の種類は4種類程と店舗より少ない。

実際にオーダーしてみた

下準備が終わって早速オーダーをしてみた。頼んだのは3つの品物で、Walgreen(日用品店)からトイレットペーパー、Target(ディスカウントストア)からジップロックのケース、Nob Hill Market(食品店)からデミグラスソースをオーダーして合計12ドル。オーダー完了すると自分のGmailアドレスにオーダー受付のメールが届く。

オーダー完了は午前11時5分、宅配時間は午前、お昼、夕方の3つの枠があり、宅配時間はお昼枠の午後1時−6時の間となった。

google-shopping-express-purchaseそして実際に届いてきたのは午後3時37分。オーダーしてから約4時間半で到着したこととなる。宅配完了するとGmailに宅配完了のメールが送られてくるのも便利だ。

2回目以降のオーダー時刻と宅配時刻は以下の通り。
2回目: オーダー 10:52 AM、到着 2:29 PM
3回目: オーダー 4:36 PM、到着 翌 11:40 AM
4回目: オーダー 3:51 PM、到着 翌 11:58 PM
5回目: オーダー 1:05 AM、到着 11:18 AM
6回目: オーダー 12:39 PM、到着 8:48 PM

大まかに言うと、午後3時までくらいにオーダーすれば当日宅配、それ以降は翌日宅配となるようだ。また、宅配員はグーグル・ショッピング・エクスプレスの緑のポロシャツを着ているため、USPS、UPS、FedEX等と提携するのではなく、独自の配達網を引いていることが分かる。

グーグル・ショッピング・エクスプレスの何が良いのか

1.  最低購入金額が無い
Amazonで無料宅配を受けるためには最低購入価格が25ドルだ。これを気にしなくて余計な物を買わずに済むのは嬉しい。

2. 今ならなんでも送料無料、しかも早い
Amazonの無料宅配で、アメリカなら平気で一週間程待たされることもしばしばだが、当日、遅くとも翌朝には届くというのは大変便利だ。無い!と気付いてからでも間に合う。

3.(言い方は悪いが)パシリのように使える
サンフランシスコは駐車事情が厳しい。私は普段車で買い物をするが駐車スペースに困ったり、有料パーキングを使うこともしばしば。それが当日中に持ってきてくれるのであればわざわざ買い物に行く必要性は無い。しかも値段は店頭と同じ。車を持たない家庭や一人暮らしの方にも便利だろう。

唯一Amazonと比べて欠点なのは、あの豊富な品揃えにはかなわないというところだが、せいぜい日用品や雑貨程度なので欲しいものが見つからなくて困るということもない。本サービスの試験運用後の値段設定は未定となっているが、愛用者としてGoogleお得意の無くなるサービスにならないことを期待したい。

当日宅配では遅い?即配分野に続々スタートアップが

グーグルがグーグル・ショッピング・エクスプレスを試験運用している一方で、サンフランシスコに宅配地域を限定し、最速1時間以内の宅配を謳ういわゆる即配スタートアップが続々と登場している。

1. ebay now/イーベイ・ナウ
google-shopping-express-ebay-nowスタートアップではないが、オークションサイト最大手のebay(イーベイ)もebay nowという同日宅配サービスの試験運用をしている。約1時間で届けられるというこちらは1回5ドルの有料サービスで、最低購入価格が25ドル。商品の提供元はグーグル・ショッピング・エクスプレスと同じく、大手チェーン店が多い。

2. instacart/インスタカート
google-shopping-express-instacartグーグル・ショッピング・エクスプレスやイーベイ・ナウが生鮮食品は扱っていないのに対して、こちらは生鮮食品を最短1時間で宅配してくれるスタートアップ。提携先はSafeway, Trader Joe’s, Whole Foods Market, Costco等、アメリカに住んでいる人ならお馴染みの大型スーパーマーケットチェーン店だ。値段は実際に店頭で買うよりちょっと高めだが、1つのお店あたり35ドル以上購入し、2時間以内の配送なら3.99ドルで宅配してくれる。年会費99ドルを払えばこの3.99ドルの送料が無料になるので、仕事が忙しい人や車の無い人にはもってこいだろう。

3. Postmates/ポストメイツ
google-shopping-express-postmatesこちらも買い物代行サービスなのだが、ランチや生鮮食品やオフィス用品等、周辺のお店で売られているもの何でも1時間以内に即配するという。このサービスの魅力は商品提供元の多さ。多数のレストランにも対応しておりSF BiteBiteで今まで紹介してきたレストランも数多く含まれている。驚くのはアイスクリームショップやフローズンヨーグルトのお店まで含まれていること。まさに即配ならではだ。送料は最低5ドルからで、距離や所要時間などを元に算出される。今回は4マイル先のお店でサンドイッチ等をオーダーして1時間以内の宅配で8ドル。朝の8時から深夜まで毎日フル稼働しているのも魅力。オンラインは提供しておらず、モバイルアプリのみで、アプリからデリバリー状況も確認できる。現在サンフランシスコ、シアトル、ニューヨークで事業展開している。

 

いかがだろうか?サンフランシスコにお住まいの方なら、自分のニーズに合わせてかなり便利に使えるはずだ。また、今後の日本での展開も期待したいところだ。