サンフランシスコのホットなスタートアップの無料ランチ事情

フリーランチはここまで進化していた

サンフランシスコ含むシリコンバレーのテックカンパニーやスタートアップでは無料でランチを提供する “フリーランチ” が定番となっている。Googleから始まったこのフリーランチは社員からしてみればもちろん無料で嬉しいというのと、会社側から見れば、ランチに出かける時間のロスを防げるというメリットがあり、双方にとってメリットがある。そのためランチだけではなく、朝や夜まで提供する会社もある。例えば3食提供しているGoogleのカフェテリアでは家族そろって夜ご飯を食べている姿なんかも見かける。Google本社のあるMountain Viewでは、東京と違って徒歩や車で数分圏内のランチスポットが、社員数をまかなえる分だけ無いという問題もあるのだろう。

Google-lunchGoogleでは世界中に120のカフェがあり、毎日50,000食を提供している。その目的はコラボレーションと健康な食事の促進と謳っている。今までGoogleやYahoo等のいわゆる大企業のフリーランチを訪問してきたが、どれも言ってみれば食堂風で、味はそれなり…といった感じなのと、無料なので贅沢は言えないが、お店が入れ替わらないので飽きてしまうという問題があった。

freelunch-officeしかし今回サンフランシスコのスタートアップ “Zencoder” のフリーランチを訪問して、その進化に驚いた。ZencoderはY Combinator出身で、オフィスもいかにもサンフランシスコのスタートアップらしく、遊び道具もいっぱい。freelunch-nova社員のペット同伴ももちろん自由。彼女の名前はNOVAで吠えたりしないとっても良い子で、カンパニードッグとしてみんなから親しまれている。犬種は柴犬、アメリカにも柴犬が居たのかとちょっと驚いた。

1. 毎日日替わりでレストランからケータリングする

今回訪問したようなスタートアップの会社が色んなケータリング会社を使っているので、いわばケータリング大盛況状態である。そのため多種多様のケータリング会社やレストランのケータリングがサンフランシスコには存在している。よって毎日違ったランチが提供されるのだ。
変わったところでいくとこんなケータリングがある。

ラーメンケータリングfreelunch-ramen麺がのびないように麺の上に具だけが乗った状態で運ばれてくる。freelunch-toppingこれに自分でお好みのトッピングを乗せるのだが、これも中々本格的にちゃんとメンマや半熟たまごが用意されている。freelunch-ramen1それに熱々のスープを醤油、味噌、豚骨の中から選択して注ぐというものだ。味もイケる。

中華ケータリング
サンフランシスコの大人気中華料理店 “Mission Chinese” というレストランのケータリング。freelunch-nutsおつまみのナッツfreelunch-eelうなぎのライスペーパーロールfreelunch-mabo麻婆豆腐、レストランで食べるのと変わりない。

2. ケータリング会社を評価するシステムがある

食べ終わって終わりではない。今日のランチが美味しかったかどうか、オンラインで評価するシステムが用意されているのだ。Zencorderのケータリングを提供しているのは “Zero Cater” というケータリング会社。zerocaterこちらも同じくY Combinator出身のスタートアップで、投資家には著名ネームが並ぶ会社だ。個々の社員が評価した点数を元に、その日のレストランのスコアが決まり、どんどん提携先のレストランが好みのものに改善されていくというシステムだ。これはケータリング会社にとっても社員にとってもメリットのある仕組みである。zerocater-feedback

Tax-FreeのFree Lunch

こういったカフェテリアでは、グラスフェドビーフやオーガニック食材を使ったメニューなど素材にもちゃんとこだわりを持ったものを提供している。公正に評価したマーケット価格は8ドルから10ドルの間といったところだろう。それを一日2食食べたとすると年間にして4,000ドルから5,000ドルもの価格になる。これに目を付けたのがIRS(Internal Revenue Service、アメリカ合衆国内国歳入庁)、いわゆる米国国税庁である。社員に無料でランチを提供するということは福利厚生にあたり、福利厚生にあたるのであれば、それは所得であるので社員は追加で所得税を支払うべきというのが議論の焦点なのだ。
これについてはまだ議論の結論は出ておらず、現在IRSから正式なコメントは出ていない。福利厚生周りの法律は複雑で専門家でも意見が割れているようだが、基本的にこれは課税対象というのが大方の意見のようだ。

これをやっているのはもちろんGoogleだけではない。Facebook、Twitter、Zyngaも3食の食事を提供している。優秀なエンジニアを獲得するにはフリーランチやフリーフードは、今やシリコンバレーでは当たり前のことなのだ。もし課税対象となっても、過去の分や当面に関しては会社側が支払うような措置が出るかもしれない。これについてはWall Street Journalの記事に詳しく書かれているので興味のある方は読んでみるといいかもしれない。

しかもWSJの記事には書かれていないが、こういったシリコンバレーのテックカンパニーのベネフィットは無料の食事だけではない。Wi-Fi付きのシャトルバスでの送迎、マッサージ、フィットネスクラス等、多岐に渡るサービスが提供されている。これも課税対象?続報があればお伝えしようと思う。