Frances/フランセス(カリフォルニア料理)総合89点

超予約の取りづらいミシュラン一つ星レストラン

frances-ent私のお気に入りレストランの一つ、”Frances” は2009年にオープンし、2011年以来ミシュラン一つ星を取り続けている。予約の取りにくさはフレンチランドリー程ではないが、State Birdと同じくらい予約が取りにくく、サンフランシスコで最も予約の取りづらいレストランの一つだろう。これらState BirdやFrancesは、サンフランシスコへの旅行が決まったら真っ先に予約を取ることをお勧めするお店だ。空いていたとしても5時や9時で、皆がディナーを食べるような6時−8時といった時間はほぼ空いていない。予約はこちら
frances-line思ったように予約が取れなかった場合は、オープンと同時にウォークインで入るという手がある。Francesの場合はオープンが5時なので、5時−5時半の時点でお店に入れば若干狭いハイチェアーのバーカウンター席(約10席)ではあるが席を獲得出来るだろう。予約の取りにくさを改善するためか、つい最近から予約時にクレジットカード情報を求められるようになった。キャンセルする場合は48時間前までに連絡を入れないと、一人当たり$25が自動的にクレジットカードにチャージされる。そのせいもあってか、以前よりも直近の予約が入れやすくなっている気がする。

frances-barオーナーシェフはMelissa Perelloという女性で、レストランの名前は彼女の祖母から取られたもの。Francesをオープンさせる前には、Aqua, Charles Nob Hill, Fifth Floorといったハイエンドレストランで経験を積んだ。そんな彼女が開いたのは、まさに自分自身が求めるレストラン。小さなレストランではあるが居心地が良く、雰囲気はゴージャスというよりカジュアルだが料理は一流。

frances-wineこのお店のもう一つのお気に入りがハウスワインだ。とてもユニークなシステムを取っていて、ハウスワインは1オンス(約30ml)1ドルという価格設定。ハウスワインをオーダーするとこのようなライン入りのカラフェに入って出てくる。ここから好きな分だけ飲んで、飲んだ分だけお金を払うというシステムなのだ。全部飲むと18ドル。通常ワイングラス1杯は150ml程と考えると、1杯たった5ドル。

しかもハウスワインと侮っては行けない。ここのワインディレクターはCoi等、数々のファインダイニングでワインディレクターを勤めた人物で、彼が自分で作り上げたブレンドなのだ。いずれも “Miraflors Winery” というワイナリーのワインで、白はすっきりして飲みやすい感じ、赤はグルナッシュ、シラー、カベルネのブレンドとなっている。
今回で4回目の訪問になるが、初めて訪れた時にはそんなシステムがあるとは気付かず普通にボトルワインをオーダーしていたが、2回目以降はハウスワインのコストパフォーマンスの高さから、定番となっている。

frances-menuメニューは日替わり。といっても数日間は同じようだ。

frances-baconballベーコンのベニエ 7ドル(Applewood Smoked Bacon Beignets $7)
ベニエとはフランス語でドーナツの意味で、中にスモークにしたベーコンが入っている。付け合わせのソースはクレームフレーシュというサワークリームの一種のソース。甘くない揚げたて・ふわふわのドーナツにベーコンの塩味が効いて美味しい。

frances-saladケールサラダ サービス(Lacinato Kale Salad $11)
次のタリアテッレがなかなか来ないな…と思っていると、サーブが遅れていることに対するお詫びでキッチンからサービスで頂いた品。ケールサラダの上に乗っているのはペコリーノチーズ、焼かれたマンダリンオレンジ、薄く削ったフェンネルという野菜。ケールの若干の苦味とオレンジの焦げ目の苦味がオレンジの甘みでミックスされて、見慣れない組み合わせながらとてもバランスが良い。

frances-pastaイカ墨のタリアテッレ 13ドル(Squid Ink Tagliatelle $13)
上に乗っているのはグリルしたイカなのだが、これが非常に柔らかく調理されている。タリアテッレはちょっとアルデンテより柔らかいのが残念。ソースはメイヤーレモンという酸味の少ない品種を使ったオイルベースのソース。パスタが柔らかいことを除けば完璧。

frances-steakステーキ 27ドル(Five-Dot Ranch Bavette Steak $27)
ソースを目の前でかけて仕上げ。ステーキの下に敷かれているお米のようなものはファッロ(Farro)という名のスペルト小麦で、現在広く利用されているパン小麦(普通小麦)の原種にあたる古代穀物のようだ。古代小麦なので人為的な加工が全く加えられておらず、完璧な自然食品として近年のスローフード流行で注目されている食材。それにグリルしたレタスとアスパラガスが付く。お肉は柔らかく、味は結構しっかり付いているのでワインに良く合う感じ。

frances-gnocchiリコッタチーズのニョッキ 7ドル(Ricotta Gnocchi $7)
ソースはルッコラのペーストで、上にはウォールナッツ。リコッタのニョッキというと、通常クリームソースで結構しつこいパターンが多いのだが、これはとてもあっさりしている。

frances-tartタルトタタン 9ドル(Tarte Tatin $9)
りんごの酸味が少し残るくらいに煮込まれたりんごをサクサクのタルト生地の上に乗せ、サイドにメイヤーレモンのアイスクリームやウォールナッツを添えたもの。甘みの酸味のバランスが絶妙で、とても美味しい。

frances-cakeストロベリーショートケーキ 8ドル(Strawberry Shortcake $8
びっくりするくらいあっさりとしたショートケーキ。生クリームにほとんど甘みが無く、いちごのジュレといちごの甘みのみなのだ。使っているのはスポンジではなく、ラベンダーの香りのするサクサク系ビスケット。

frances-teaミントティー 4ドル(Mint Tea $4)
ブルーボトルのコーヒーもあったが、夜のカフェインを控えるためディカフのミントティーを。器はヒースセラミックスのもの。

今日はちょっとサーブのタイミングが遅かったが、サラダでカバーされた。味としてはやはり何度行ってもがっかりすることのないFrances。本当はここでお気に入りの品のダックムースや、ウズラグリルのサラダ仕立てが食べたかったところだが、メニューは日替わりなので仕方ない。ミシュラン一つ星にしては値段もお手頃で、ワインの$1/オンスというシステムも好感が持てる。友人にも自信を持ってお勧めできるお店だ。

SF BiteBite’s評価(総合89点)

味 36点(40点満点)
コストパフォーマンス 17点(20点満点)
サービス 8点(10点満点)
雰囲気 9点(10点満点)
独創性 9点(10点満点)
清潔感 10点(10点満点)

Frances(サンフランシスコ・カストロ地区)

http://frances-sf.com/
3870 17th St (between Pond St & Noe St)
San Francisco, CA 94114
(415) 621-3870
Tue-Thu, Sun 5 pm – 10 pm
Fri-Sat 5 pm – 10:30 pm
予約はこちら