Cotogna/コトーナ(イタリアン)総合84点

ミシュランスターのイタリアンをカジュアルに

cotogna-entサンフランシスコでミシュラン一つ星を毎年獲得している高級イタリアンレストランの “Quince/クゥインス” こちらは予算一人当たり150ドル以上のファインダイニングであるが、その日常使い用のカジュアルバージョンが Cotogna。オープンは2010年、同じオーナーでQuince(果実のマルメロの意味)をイタリア語にしたらCotognaになるようだ。この2つのレストランは隣同士にあり、バックで通路が繋がっていてマネージャーやシェフが行き来できるようになっていて、サービスレベルが保たれている。Quinceは一年半程前に訪れたが、確かに美味しかったことを覚えている。

michaelシェフ兼オーナーのMichael Tusk(マイケルタスク)氏はイタリアとフランスのミシュランスターのお店で修行をし、帰国後1988年から4年間ベイエリアの名店Chez Paneisseなどでも磨きをかけ、更に再度フランスに渡って修行を重ねた。その後オークランドのOlivetoでも6年間シェフを勤めた後に自身のお店をオープン。最近ではオバマ大統領がサンフランシスコを訪れた際にプライベートディナーを作るようなスターシェフである。
非常に人気のレストランのため、前もって予約しておかないと、早い時間帯(5時くらい)か遅い時間帯(9時くらい)しか予約出来ない。ウォークインではまず席を獲得出来ないだろう。私は会ったことは無いが、映画ライターの方が『ニコール・キッドマンやブレイク・ライヴリーなど、セレブが足繁く通う店としても知られている。』と書いていた。

cotogna-inside内装の雰囲気は外観のアーバンなインダストリー感とは異なってエレガントな感じ。このインテリアデザインはタスクの奥様であるリンジーが行った。

cotogna-wineコトーナはとにかく価格設定が分かりやすい。ワインは一本40ドル、グラスで10ドル、料理はメインを除いて統一価格で、前菜が12ドル、パスタ・ピッツアが17ドル、デザートは8ドルと統一されているので、価格を気にせず単純に自分の好みのみで選べば良い。また、フィックスされた前菜・メイン・デザートのメニューも提供しており、その価格はなんと24ドル。サンフランシスコにおいて3品コースが24ドルははっきりいって格安である。
ワインのセレクトはイタリアンワインに関する本をアメリカ国内で出版しているようなエクスパートであるDavid Lynchによって選ばれたようだ。40ドルといっても種類が豊富で色々なイタリアンワインを用意している。

cotogna-tableこのレストランも使っている食器はヒースセラミックスのもの。また、よく見てみたらアウトレットであるセカンド品も使っているようだ。

cotogna-bread自家製パン
サービスでサーブされる自家製パン。上に岩塩やペッパーがのっている。そこらのパン屋より美味しいくらいのレベルの高さ。細長くカットしたプレゼンスも素敵。

cotogna-cocktailノンアルコールカクテル 5ドル(Navarro Spritzer $5)
飲めなかったためノンアルコールカクテルで。ピノノワールの葡萄を使ったジュースに、ラベンダー、レモンソーダ、ビターズが入ったもの。すっきりした飲み口にラベンダーが香り、好みの味だ。
cotogna-beerノンアルコールビール 5ドル(Kenny’s Root Beer)
自家製のオーガニックソーダビール。普通のビールよりちょっと甘みがある。

cotogna-soupグリーンガーリックのスープ(green garlic soup with potato crisps)
こちらはフィックスコースの前菜のスープ。上にのっている茶色いものはポテトをクリスピーにしたもの。グリーンガーリックは春が旬のカリフォルニアで見かける野菜で、葱みたいな茎付きで収穫する。ガーリックを早い段階で収穫することにより、よりマイルドな味になる。そのため、ガーリックのスープといってもそんなにガーリックがキツくなく、コクのあるスープでとても美味しい。

cotogna-saladサラダ 20ドル(tim’s chopped salad with genoa salami $20 −serves 2)
二人前用の大きなサラダでかなり量もたっぷり。数種類のレタスやフェタチーズ、トマト、ひよこ豆、カリフラワー等色々な野菜が入っている。

cotogna-salami同行者にベジタリアンが居たためサラミだけ分けて出してもらったが、このサラミも美味しい。

cotogna-burrataブラータのバケット乗せ 12ドル(Di Stefano burrata $12)
ブラータチーズというモッツアレラチーズとクリームから作るイタリアのフレッシュチーズと煮込んだアプリコットをバケットの上にのせていただく。あっさりしたブラータにアプリコットがほのかな甘みをプラス。

cotogna-pastaトルテローニ 17ドル(Tortelloni with English peas & morel mushrooms $17)
トルテローニというイタリアの詰め物パスタ。これとても美味しかった。フレンチでよく使われるモレルマッシュ―ルムという高級キノコ(日本で言うところの松茸みたいな存在だろうか。)の旨味がよく出ている。

cotogna-pizzaピッツア 17ドル(Squash blossom, basil & cherry tomato $17)
今回唯一好みではなかったのがこのピッツア。生地が薄くて、ふちがカリカリ、もちもち系のピッツアが好みの私としてはちょっと残念。カリカリ系が好きな人には良いと思う。

cotogna-pizzaovenピッツアの焼き釜はちゃんと薪を使ったものを使用。

cotogna-wood通路にも薪が沢山置かれていた。

cotogna-octopusタコのマリネ(octopus with green chickpea)
フィックスコースのメインディッシュ。タコ自体の味付けは薄めで、オリーブや玉ねぎやひよこ豆のソテーが下に敷かれており、それと合わせて塩味を足す感じ。ちょっとタコにパサつき感があったのが気になったが、野菜のソテー部分は良かった。

cotogna-caliカリフラワーのロースト 8ドル(Spit-roasted cauliflower $8)
ピッツア釜に並んで置かれていたロティサリーで作ったカリフラワーのサイドディッシュ。丹念に焼かれたカリフラワーは外側がサクサクして中は柔らかい。味付けは塩と柑橘系ですっきりと。

cotogna-rottiこちらがそのロティサリー。ロティサリーでも薪を使用。

cotogna-cherryチェリーケーキ 8ドル(Cherry torta $8)
大粒のチェリーが入ったケーキにアーモンドのアイスクリーム。見た目より甘すぎずいい感じ。

cotogna-semifreddoイチゴのセミフレッド(dirty girl farm strawberry semi-freddo)
こちらはコースのデザート。セミフレッドはセミ=半分、フレッド=冷たいという意味で、アイスクリームとクリームの間みたいな感じ。生クリームのホイップ等を冷やして固めて作るイタリアの定番デザート。イチゴも甘くて美味しい。

味・サービス・雰囲気・価格設定どれをとっても優秀なこのレストラン。こちらはミシュランスターレストランのカジュアルバージョンだが、同じレベルのサービスが受けられる。今回初めての訪問だったが、早速私のお気に入りリストに入れられた。ワインがボトル40ドル設定で色々選べるのも嬉しい(※それ以外の価格のワインリストも別紙である)。また、3品コースの24ドルは食べてみた感想としてもやはりコストパフォーマンスが良い。再訪は間違い無しだ。

SF BiteBite’s評価(総合84点)

味 32点(40点満点)
コストパフォーマンス 17点(20点満点)
サービス 9点(10点満点)
雰囲気 9点(10点満点)
独創性 8点(10点満点)
清潔感 9点(10点満点)
※相対評価の為、点数見直し(2014/4/2)

Cotogna(サンフランシスコ・ファイナンシャルディストリクト地区)

http://www.cotognasf.com
490 Pacific Ave (between Montgomery St & Osgood Pl)
San Francisco, CA 94133
(415) 775-8508
Mon-Thu 11:30 am – 11 pm
Fri-Sat 11:30 am – 12 am
Sun 11:30 am – 2:30 pm
Sun 5 pm – 9 pm
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