Blue Bottle Coffee/ブルーボトルコーヒー(コーヒーショップ)総合83点
日本で大ブーム中のブルーボトルコーヒー
サンフランシスコ界隈で大変人気のあるコーヒーショップ。クラリネット奏者だったジェームス・フリーマン(James Freeman)氏がその道を諦めた時に、彼のもう一つの情熱であるコーヒー、それも本当に美味しいコーヒーを作ろうと決心し2002年8月にガレージでコーヒー豆の焙煎を始めたのがブルーボトルコーヒーである。
彼はいわゆるサード・ウェイブコーヒー(Third-Wave Coffee)の先駆けで、特徴は自身で買い付けに行き選んだ、厳選されたオーガニック・フェアトレードの豆(Specialty Coffee)を自家焙煎(Micro-roaster)し、しかも焙煎した豆は焙煎直後を除き48時間以内のものしか提供しないというこだわりぶり。
彼は2002年当初、苦味の強い深煎りが大全盛だった時代に、浅煎りの明るい酸味を持つコーヒー豆をガレージで焙煎し、オークランドというサンフランシスコの対岸の街のファーマーズ・マーケットで販売していた。暫く経った時、彼のお店に15人もの人々が並んでいることに気付き、サンフランシスコのヘイズバレー(Hayes Valley)という場所に初めてのブルーボトルコーヒーショップをオープンする。このお店はキオスクタイプのとても小さなお店だったが、みるみるうちに評判となり、現在ではサンフランシスコ周辺に7店舗、ニューヨークに5店舗、ブルックリンに1店舗を有するに至る。
また彼のお店はアメリカにおいて、日本製のサイフォンやウォータードリッパーを使用し始めた先駆けでもある。彼はそれがお気に入りで、ブルーボトルコーヒーのカスタマー向けにも販売している。その結果、現在ではサンフランシスコのコーヒーショップでは日本製ハリオのドリッパーを中心としたハリオ製品がこぞって売られている。こういう話は日本人にとっても嬉しい。ドリッパーを使って一杯一杯丁寧に淹れられるドリップコーヒーは、3分〜5分の時間がかかるが、それでもその価値を認め、サンフランシスコの人は日々行列を作っている。
このように近年著しく成長しているブルーボトルコーヒーは、ボトル入りコーヒーの販売を開始したり新店舗をオープンさせるなど事業領域を広げている。それに伴い、あたかもテック系のスタートアップのように資金調達を行ったのが、2012年10月のTech CrunchやTrue Venturesのこの記事なのだが、約20億円($1=100円計算)ものお金を調達し、かつ投資家はいわゆるテック業界のスターばかりだ。
※ブルーボトルコーヒーを“Apple of coffee”と、投資家のうちの一人が命名し、その表現が気に入ったので、このサイトで初めて日本語訳として『コーヒー界のApple』と名付けて、紹介したのが2012年のこと。だが、その名前がメディアでもてはやされ、一人歩きして日本でのみコーヒー界のAppleと言われ、2年経った今でもアメリカでそのように言われていないことを注釈としてお伝えしたい。
また、2014年1月には、2度目の資金調達を行い、前回と同じようなテック業界のスター達とモルガンスタンレーから約26.75億円($1=100円計算)の調達を行った。街角のコーヒーショップにしてはかなりの金額だ。この金額の使い道は、まさに日本への進出である。ブルーボトルの公式ブログでも、東京の清澄白川に焙煎所兼カフェ用の建物をリースしたと発表した。また、2014年末までの開店に向けて準備を進めていること、六本木と渋谷への出店を検討していることをこちらの記事のインタビューで答えている。
彼はここ数年、日本に進出するためのジョイントベンチャーやライセンス契約のパートナー探しをしていて、複数の会社からオファーを貰っていた。2013年の夏頃に彼と直接話したときにはパートナーが決まったと言っていたが、頓挫したのだろう。最終的には、米国100%子会社のブルーボトルコーヒー・ジャパンを設立することとなった。それに至った理由を『Nobody loves your coffee more than you do』つまり、あなたのコーヒーをあなた以上に好きな人は誰も居ないから、と説明している。まさにその通り。
上の写真はサンフランシスコの対岸のサウサリートという街発祥の有名陶器店
Heath Ceramics(ヒースセラミックス)の店舗にあるショップ。ヒースのタイルとのコラボレーションが可愛い。
イートインスペースには巨大なヒースセラミックスの歴史を語るパネルがあり、これも見ていて面白い。
カプチーノ 3.5ドル(Cappuccino $3.5)
ミルクのエスプレッソが完璧なまでに融合している。飲んでいると通常分離し始めるものなのだが、このカプチーノはそういったことが無い。マイルドでバランスも良く大変美味しい。このコーヒーならばコーヒーが苦手という人でも気に入るのではないか。イートインならヒースセラミックスのカップに注いでくれる。
オリーブオイルショートブレッド 1.5ドル(Olive Oil Rosemary Shortbread $1.5)
バターをたっぷり使用したこちらのクッキーはオリーブオイルとローズマリーがアクセントになっていて、数あるクッキーの中でも一番のお勧め。オリーブオイルの香りが漂う、サクサクかつしっとり感のあるクッキー。
グラノーラ 3.25ドル(Granola $3.25)
注文するとクローバー(Clover)というオーガニックブランドのミルクを注いでくれる。容器はサンフランシスコで大流行中のMasonのジャー。普段あまりグラノーラを食べないがミルクと合わせて朝食にぴったりな、このグラノーラが私のお気に入りだ。持ち帰り用グラノーラも6ドルで販売している。
2012年には『Blue Bottle Craft of Coffee』という本を出版したが、コーヒー好きにはたまらない一冊とNew York Timesで評されている。コーヒーの知識のみならず、カフェメニューやデザートのレシピも掲載されていとのことで早速購入してみたが、現在我が家でレシピ本として大活躍している。
サンフランシスコ近郊でいくつかあるブルーボトルコーヒーショップの中でもこのお店は、
ヒースセラミックス内の店舗で、このお店も可愛いので併せてチェックしたいところ。
コーヒー好きなら、ミントプラザにあるBlue Bottle Cafeに行くことをお勧めする。コーヒー好きにはたまらないスペシャルなコーヒーマシーンで溢れている。また、ミントプラザ店はカフェメユーも提供しており、そこのエッグベネディクトもとても美味しいので、朝食スポットとしてもとてもお勧めだ。
サンフランシスコのコーヒーカルチャーを変えてしまったブルーボトルコーヒーの初の海外進出先は、彼が長年参考にしてきた日本マーケット。同じくサンフランシスコのフォーバレル・コーヒーも日本に進出すると言っているので、今後の両者の日本マーケットでの活躍がどうなるかが楽しみだ。
※コーヒーアップデートの記事に基づき、点数修正。
SF BiteBite’s評価(総合83点)
味 32点(40点満点)
コストパフォーマンス 16点(20点満点)
サービス 9点(10点満点)
雰囲気 8点(10点満点)
独創性 9点(10点満点)
清潔感 9点(10点満点)
Blue Bottle Coffee
(サンフランシスコ内6店舗あるうちのMission地区、観光ならばFerry Buildingもお勧め)
http://www.bluebottlecoffee.com
Heath Ceramics Shop
2900 18th St
San Francisco, CA 94110
Mon-Fri 7 am – 6 pm
Sat-Sun 8 am – 6 pm