Bar Agricole/バー・アグリコル(ニュー・アメリカン/バー)総合80点
2軒目に最適!オシャレなお店で秀逸カクテルを
サンフランシスコのソマ地区に2010年にオープンしたレストラン/バー。サンフランシスコでカクテルが美味しいことで有名なお店(Bourbon and Branch, Beretta, Heaven’s Dog等)で経験を積んだ数名が、自身のお店を開く格好で共同オーナーとしてスタートさせた。周りには何も無いエリアに突如現れる黒いスタイリッシュな外観の建物。
入り口を入ると、長い通路があり奥の倉庫風の建物の中がレストランとなっている。この通路脇はアウトサイドのパティオ席となっている。
オープン直後に訪問したので、まだ誰もいないが、緑とウッドが気持ちいいパティオ席は都会のオアシスのよう。
レストランの中は、入り口にバーがあり、高い天井にはガラスのチューブで作られた、ウエーブのかかったライトが、天窓からの光を反射して光のカーテンのように見える。アートピースのように綺麗。ウッドの壁と所々に施されたコンクリートのコンビネーションもカッコいい。写真ではうまく伝えきれていないが、とてもスタイリッシュな店内。
私はレストラン/バーというと、正直あまりいいイメージが無い。オシャレで飲み物の種類は豊富だが、何と言ってもお料理が美味しくないパターンが多い。そんな中、バー・アグリコルは、オープン以来カクテルが素晴らしいとの評判はもちろんのこと、お料理も同様に美味しいと言われていた。しかし当初のシェフが、2013年初旬に自身のレストランを開く為に離れて以降、暫くの間評判が落ちていた。
その後、新たにメリッサ・レインツ(Melissa Reitz)氏という女性シェフを迎えてから、再びカクテル同様に料理も素晴らしいとの評判が復活した。と言うのも、メリッサ氏は、サンフランシスコのミシュラン2つ星レストランのクインス(Quince)をはじめとして、ズニ・カフェ(Zuni Cafe)、カミノ(Camino)、ピッツアイオロ(Pizzaiolo)といった人気店で実力を奮ってきた人物なのだ。
アグリコルとは、フランス語で農業の意味。サンフランシスコらしい、素材に重点を置き、食材によってメニューを日替わりで変えるというスタイルを取っている。
2014年には、全米の食のアカデミー賞と言われる、ジェームス・ビアード・アワードにて、Outstanding Bar Program(卓越したバー・プログラム)にノミネートされた。このカテゴリーにノミネートされたのは、全米中でたった6店舗。大賞は逃したものの、ノミネートされるだけでも大変名誉あることだ。ここのカクテルは、季節のフルーツやハーブを使っているため、カクテルメニューは食事同様、日替わりとなっている。また、カクテルに利用するビターズは自家製。氷だけでも5種類も用意しており、ものによって氷も使い分けるなど、細部に至るまでこだわりが凄い。
午後5時半に行ったのでちょうどハッピー・アワーをやっていた。毎日夕方5−6時、日曜日は終日で、3ドルのビール、6ドルのカクテル、2ドル/個のオイスターが提供されている。対象は、ビールもカクテルも週変わりの一種類だけなので、全てだと思って間違えないようにしたい。
カクテル 12ドル(Sleepyhead $12)
このお店の人気カクテルとのこと。ブランデー、ジンジャー、ミント、ライムをシェーカーでミックスして、最後にスパークリングワインを加えたもの。柑橘系のスッキリした味で、とても美味しかった。
カクテル 12ドル(Monkey’s Gland $12)
こちらは、ジン、シトラス、アブサン(薬草系のアルコール度数の高いリキュール)、グレナディン(ザクロの果汁と砂糖から作られるシロップ)。今まで飲んだことの無いミックスだったが、柑橘さと甘さとハーブの香りがとてもバランスが取れていて、先ほどのカクテルに負けず劣らず美味しい。むしろこちらの方が好みかも。
ピクルス 6ドル(Pickled Cucumbers $6)
Pickled ○○というメニューに弱い私。今回もオーダーしてみたが、Pickled Cucumbersと言えば単なるピクルス。考えてみれば当たり前のことなのだが、オーダー時点では気付かなかった。。。ピクルスに6ドル払うのはばかばかしいというのが正直なところ。
オイスター 8ドル(Oyster $2 ea)
ハッピーアワーで1ドル程割引になっていたオイスター。新鮮で美味しい。
バターレタスサラダ 10ドル(Butter lettuce salad $10)
レモンとハーブ味付けしたレタスとラディッシュのサラダ。味はさっぱりしていておいしかったのだが、数えられる程度のレタスの葉しか入っていない。10ドルだったら通常2人でシェア出来るくらいの量は入っているものだ。
キングサーモンの前菜 15ドル(Ceder plank king salmon $15)
キングサーモンのイクラ乗せに、塩味の効いたポテトと、ヨーグルトであえたカロセッリというイタリアのキュウリがサイドに添えられている。キングサーモンが中はややレア気味に調理されており、これが今回オーダーした中で一番美味しかった。
カクテル 12ドル(Tequila Fix $12)
テキーラ、ライム、パイナップルシロップ、ヘルファイヤー・ビターズ(数種類のチリをウォッカに漬け込んだもの)をミックスしたもの。チリは本当に隠し味程度で、これも美味しい。このお店のハウスメイドのビターズも良い。
カクテル 12ドル(New York Sour $12)
店員さんにお勧めを聞いてオーダーしたカクテル。バーボン、レモン、赤ワインをミックスしたもの。こちらも大当たりで、ここのカクテルは何を頼んでも美味しいと改めて実感。
スパゲティ 17ドル(Spaghetti $17)
こちらはハーフポーションで、約一人前量。フルポーションだと32ドル。麺の湯で加減はアルデンテで良いのだが、全体的に塩辛い。日本はパスタの美味しいお店が多いので、これくらいのレベルならゴロゴロしているだろう。
ローストラム 20ドル(Box-loasted summer lamb $20)
こちらも同じくハーフポーションで、フルだと38ドル。先ほどの塩辛いパスタに対して、こちらは味が薄い。何と言うか、旨味が無くて印象に残らない一品だった。
カクテル 12ドル(Ti Punch $12)
農業生産ラム(アグリコル・ラム: サトウキビの搾り汁から砂糖を精製せずに直接、原料として醗酵させて蒸留して得たラムのみ認められる称号)に、シロップを混ぜて、ライムの皮を添えたもの。農業生産ラムは、サトウキビの栽培地の近く、収穫時期でないと生産が出来ず、ラム酒全体の2−3%程度しか流通していない希少価値の高い品のようだ。
チョコレートガナッシュタルト 8ドル(Chocolate ganache tart $8)
チョコレートガナッシュタルトの上にはマシュマロと、飴状のアーモンド。美味しかった。
カクテルがとても美味しかったので、ついつい16種類中、5種類も頼んでしまった。カクテルだけで言えば、サンフランシスコで1、2を争うくらいの美味しさである。ゆえに、バーとして評価するのであれば間違いなく80点台後半だと思う。しかし、お料理は量が少ないわりに高めの設定なので、コストパフォーマンスが悪い。ただ、バーに重きを置いているお店にも関わらずメニューがデイリーで変わるなど、評価出来る点は多々ある。
私なら、お料理はどこか他で食べて、二軒目としてもう一杯飲みにここに立ち寄るだろう。
周りは閑散としたエリアなので、旅行者の方が訪問するのであれば、交通はタクシーやUberを使うことをお勧めする。2014年3月には、バー・アグリコルのスピンオフとして、Trou Normandというレストラン/バーをファイナンシャル・ディストリクトにオープンしているので、こちらの方が、旅行者には立ち寄りやすい立地かもしれない。
SF BiteBite’s評価(総合80点)
味 32点(40点満点)
コストパフォーマンス 14点(20点満点)
サービス 8点(10点満点)
雰囲気 9点(10点満点)
独創性 8点(10点満点)
清潔感 9点(10点満点)
Bar Agricole(サンフランシスコ・ソマ地区)
http://www.baragricole.com/
355 11th St
San Francisco, CA 94103
Phone number (415) 355-9400
Mon Closed
Tue – Thu 6:00 pm – 10:00 pm
Fri, Sat 5:30 pm – 11:00 pm
Sun 11:00 am – 11:00 pm
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