B patisserie/ビー・パティスリー(ベーカリー・ケーキショップ)総合85点

ミシュラン星付きペストリーシェフの独立店

b-patisserie-ent2013年にオープンして以来、このエリアで絶大な人気を集めているベーカリーのビー・パティスリー(B patisserie)。入口には特に看板も無いので、知らなければ通り過ぎてしまいそう。

パシフィック・ハイツ地区という閑静な住宅街の地域柄からか、ミッション地区にあるクラフツマン&ウォルヴスあたりと比較するとクリーンで白を基調とした、女性らしい店内。

b-patisserie-insideこのお店は、モダンフレンチスタイルに、アメリカのテイストとサンフランシスコらしさを取り入れたスタイルのペストリーを提供している。ベリンダ・リオン氏(Belinda Leong)という女性が開いたお店で、彼女は、サンフランシスコで最も有名なレストランの1つであるゲイリー・ダンコ(Gary Danko)で1999年からペストリー・シェフとして8年間働いた後に、パリのピエール・エルメ(Pierre Hermé)を含む、バルセロナ、コペンハーゲンといったヨーロッパ各国で2年間の修行を行った。

その後、サンフランシスコから南に車で一時間下った先のロスガトスにある、ミシュラン2つ星レストランのマンレサ(Manresa Restaurant)でヘッド・ペストリー・シェフをしていた際に、一部のコーヒーショップに彼女が作ったものをポップアップ的に販売し始めた。それが、好調だったことにより、自信を得たベリンダはその後、サンフランシスコ・ベイキング・インスティテュートという菓子専門学校のオーナーであるミッチェル氏(Michel Suas)とパートナーを組み、ビー・パティスリーをオープンさせた。

b-patisserie-showcaseそういった前評判もあってか、オープン早々人気を誇っている。その為、注文したはいいが、席に座れないことや、夕方に行くとショーケースにケーキが無いなんてこともある。店内に入るとオープンキッチン形式のオーブンから焼きたてのパンなどが、どんどん大理石のカウンターの上に並べられている。

ちなみに一部の商品は、サンフランシスコの有名コーヒーショップである、フォーバレル・コーヒーでも扱われているので、私は以前からこのお店のペストリーを食べていたのだが、シグネチャーであえるクイニーアマン(Kouign amman)を食べるのは初めて。

b-patisserie-kouign-amannクイニーアマン 4ドル(Kouign Amann Nature $4)
私自身はそんなに馴染みの無いクイニーアマンだが、日本で流行っていたこともあるらしい。バターとシュガーをたっぷり使って、クロワッサンをもっとデザートっぽく仕上げたようなパン。

b-patisserie-kouign-amann2外側はサクサク、中はしっとりしていて美味しい。特に焼きたてを食べると格別。これを求めて人が集まるのも納得。

b-patisserie-croissantチョコレートバナナ・アーモンドクロワッサン 3.75ドル(Chocolate Banana Almond-Croissant $3.75)
表面がクッキー生地のようになった仕上げになっているクロワッサン。

b-patisserie-croissant2中を割ってみると、チョコレートとバナナのクリームが出てくる。よくあるチョコバナナの味で、甘い中に苦味や酸味が感じられるような大人の味ではない。

b-patisserie-bostockボストック 3.25ドル(Bostock $3.25)
ボストックとはフランスで作られるパンで、厚めにスライスしたブリオッシュパンにシロップを染み込ませて、アーモンドクリームを塗って焼き上げるデザートのようなパン。美味しい。このボストックも人気商品。

b-patisserie-capuccinoカプチーノ 3.25ドル(Capuccino $3.25)
フォーバレルにペストリーを提供していることもあり、コーヒー豆はもちろんフォーバレルのもの。ただ、見た目のラテアートの出来の悪さからも想像できるように、味はそれなり。豆は一緒でもバリスタの腕で差が出る。

b-patisserie-coffeeコーヒー 2ドル(Coffee $2)
こちらもフォーバレルの豆を使ったコーヒーだが、ドリップで一杯ずつ作るコーヒー(Pour Over)ではなく、作り置きのもの。でも値段がたった2ドルでそれなりに美味しいコーヒーが飲めるので、これはこれでいいと思う。

b-patisserie-quiche季節のキッシュ 3.5ドル(Seasonal Quiche $3.5)
中が茶碗蒸しのようにプルプルして、下にナチュラルチーズのような黄色いチーズがたっぷり入っている。具が少なくて、チーズ感がちょっと強過ぎるかなという印象。

b-patisserie-sandwichオープンサンドイッチ 10.5ドル(Tartine – Black Forest Ham and Cheese $10.5)
11時から4時までというランチタイム限定となっているサンドイッチ。自家製パンの上にハムと数種類のチーズがのったベーシックなサンドイッチにスモールサラダが一緒に付いてくる。ハムもチーズもその辺りのスーパーで買って来たら同じものが作れそうな気がする。サンドイッチなら圧倒的にタルティーン・ベーカリーの方が美味しい。

b-patisserie-eclairエクレア 4.5ドル(Eclair $4.5)
5種類程あるエクレアの中で最もベーシックそうなものをチョイス。小さなサイズのエクレアに4.5ドルと、ちょっと高めな値段設定だが、食べてみてもあまりその価値を感じない。サンフランシスコではそもそもあまりエクレアが売っていないので、このレベルでもいいかもしれないが、日本でエクレアを食べ慣れた者としては少し不満が残る。

b-pattiserieアップデート(2017/3/1)
最近同店のケーキを何度か購入しているのだが、間違いなくサンフランシスコ最高レベル。オープン当初感じた子供っぽさが抜けて、大人の味に進化している。年末年始に帰国した際に、東京の有名店と比較してみたが、遜色ないもしくは同店の方が美味しいケーキが食べられる。クイニーアマンの焼きたては格別で、ケーキもハズレなし。筆者が足繁く通っているお店である。

SF BiteBite’s評価(総合85点)

味 34点(40点満点)
コストパフォーマンス 16点(20点満点)
サービス 8点(10点満点)
雰囲気 9点(10点満点)
独創性 9点(10点満点)
清潔感 9点(10点満点)

B patisserie(サンフランシスコ・パシフィックハイツ地区)

http://bpatisserie.com/
2821 California St
San Francisco, CA 94115
(415) 440-1700
Tuesday – Sunday 8:00 am – 6:00 pm
Monday Closed