カリフォルニア州の消費税と使用税

カリフォルニア州 Sales and Use Taxes再値上げ

california2013年1月にCA州の売上税(いわゆる消費税)と使用税がまた上がり、州全体で0.25%底上げされた。ちなみにCA州は全米一最低州税(現時点7.50%)が高い州である。それに地域加算分(District Taxes、サンフランシスコであれば1.25%)を加えてベイエリアと言われるこの一帯と自分が行きそうなワインカントリーのいわゆる消費税は以下のようになった。

  • 8.750% San Franciscoカウンティ
  • 9.000% San Mateoカウンティ(Daily City, Burlingame, San Mateo, Foster City, Redwood City, Menlo Park等) ※アップデート:2013年4月1日より0.500%再々引き上げ
  • 8.750% Santa Claraカウンティ(Palo Alto, Mountain View, Cuppertino, Santa Clara, Los Gatos, San Jose等) ※アップデート:2013年4月1日より0.125%再々引き上げ
  • 8.000% Napaカウンティ
  • 8.250% Sonomaカウンティ

この0.25%の上昇は2016年12月31日までのTemporary(期間限定)とのことだが、4年もの歳月をTemporaryと呼べるかは疑問である。かつ2009年4月1日から2011年6月30日までも同様に期間限定で1%の増税を行っていた。深刻な財政難のCA州であれば、Temporaryが終わったらきっと次のTemporaryが来るだろう。

基本州税の7.50%のbreakdownは6.50%が州、1.00%が地域に配分されることとなっている。細かな配分を知りたい方はこちら

但し今回の上昇にはガソリンは含まれておらず、ガソリンの税率は2.25%+地域加算分となっており、ディーゼル燃料は税率上昇の対象で9.65%+地域加算分となっている。しかしガソリン税は表示価格に含まれているので普段の生活で意識することはない。

CA州のこの高い消費税にも例外はある。grocery調理されていない食材そのものについてはSales taxがかからない。しかし調理し、Ready-to-eatになって暖かい状態で提供するものには税金がかかる。それはお店だろうがスーパーであろうが同じ。もう一つ例外があり、暖かいドリンクとベーカリーアイテムをテイクアウトし、その他暖かい食べ物を何もオーダーしなければ税金はかからない。しかしイートインすれば税金がかかる。何だかややこしいが、コーヒーのみをテイクアウト→無税、コーヒーとサンドイッチをテイクアウト→課税、その他レストランでの食事は全て課税というところだろうか。

それ以外にも携帯含む電話回線への税金や公共交通機関など例外はいくつかある。

ちなみにカリフォルニア州の隣のオレゴン州は消費税0%である。だったら車くらいの大物を買うならオレゴンまで買いに行けばいいじゃないかと思うところだが、車の税金は購入タイミングではなく車両登録した地域の税金で加算される。そのため、車をわざわざオレゴンまで買いに行ってもアドバンテージは得られない。

AmazonのTAX闘争

先ほどから登場している使用税(Use Taxes)も日本人にとっては馴染みが無いが、日本と違いアメリカは消費税が国税ではなく州税である。小売店は州内に事業所があるものが課税対象である。そのためインターネットで州外から購入したり、消費税の無い州に行って買い物をすれば無税になってしまう。それを防ぐのが使用税で、消費者が所得税の確定申告時にUse taxesとして申請することになっている。しかしあくまでも自己申告なので、申告されないことがほとんど。

じゃあカリフォルニア州でAmazonで買い物したら無税か、といったら2012年9月14日まではそうだったが現在では新法でその辺りの矛盾が一部カバーされるようになり、大手ネット販売事業者に限って州内事業者と見なされ、消費税が課税される。完全にAmazon狙い撃ちの新法だ。AmazonはCA州とのTAX闘争が終わり、どのみちCA州から州内事業者と認定されるなら…とその後Amazonは巨大な集配センターをロス郊外に建設し、CA州の消費者により安価で早く配達出来るようになった。いずれ同日配達を試みているようだ。

消費税一つとっても奥が深く、日本とこれだけの違いがあって面白いものだ。