The Slanted Door/ザ・スランテッド・ドア(モダンベトナム料理)総合84点

全米屈指のモダンベトナム料理レストラン

ferry-entサンフランシスコ界隈の美味しいものばかりを集めた、歴史あるフェリー・ビルディングの中で、常に大人気のレストランがこちらのスランテッド・ドア。150人は収容できる広々としたレストランにも関わらず、いつも人で溢れている。

slanted-door-doorスランテッド・ドアはもともと1995年にミッション地区にオープンし、2度の移転を経て2004年からフェリービルディングの中に入っている。チャールズ氏(Charles Phan)というベトナムからの移民によって創業されたこちらのレストランは、サンフランシスコだけでなく、アメリカにおけるベトナム料理シーンを牽引していると言われている程、有名なお店だ。

slanted-door-barベトナム料理というと、この辺りで見かけるのはフォーばかりで、しかもあまり小綺麗ではないお店が多い。そんな中、ここは全く違うコンセプトのベトナム料理レストラン。

slanted-door-inside

店内はガラス張りを特徴としたモダンでハイセンスな内装、出てくるお料理もお店と同じくらいモダンで、可能な限りオーガニックで地元産の材料を使い、ソースはスクラッチから作っている(普通のベトナム料理店では、ボトル入りのソースやアミノ酸調味料が多用されていて、これを嫌がるアメリカ人は多い)。

こういった食材へのこだわりは、オーナーのチャールズ氏が大学生時代をバークレーで過ごし、シェ・パニース(Chez Panisse)やズニ・カフェ(Zuni Cafe)といったレストランから影響を受けた結果。
また、彼の母親はフランス植民地時代の影響もあり、流暢にフランス語を話し、家庭料理もフレンチベトナミーズだったというところから、典型的なベトナム料理よりもエレガントで、ソースに重きを置いている。

slanted-door-table2014年には全米の食のアカデミー賞といわれるジェームス・ビアード賞で、極めて優れたレストラン(Outstanding Restaurant)のカテゴリーで優勝した。この極めて優れたレストランというものの定義は、『全米にあるレストランのうち、全米を主導する程の、一貫して素晴らしいクオリティの料理、雰囲気、サービスを提供しているお店で、かつ10年以上連続して営業していること』が候補者の条件となっている。全米から選ばれた候補者の中から、遂に2014年に大賞を勝ち取った。非常に名誉あるこの賞は、星の数程あるレストランの誰もが取りたくても中々取れない賞であろう。

slanted-door-whiskey-cocktailウィスキーカクテル 12ドル(whiskey cocktail old forester $12)
ウィスキーにアンゴスチュラ・ビターズとオレンジ・ビターズという2種類の柑橘系ビターズとシロップを加えたもの。ハンドカットのロックアイスにてサーブされる。量は少ないけど美味しい。

slanted-door-crapeベトナム風クレープ 13ドル(vietnamese crêpe $13)
クレープの中身は下の写真のようになっている。

slanted-door-crape-insideサフランを使った黄色いクレープ生地の中には、大振りの海老、豚肩肉、もやし、玉ねぎなどの具がぎっしり入っている。これをレタスで包んで、甘酸っぱいソースにからめて食べる。クレープ生地がサクサクで、海老のぷりぷり感と相性が良く、とても美味しかった。

slanted-door-saladグレープフルーツとヒカマのサラダ 12ドル(grapefruit and jicama $12)
ヒカマはメキシコや東南アジアでよく使われるシャキシャキした食感が特徴の芋で、そのままサラダに用いられることが多い。このサラダはヒカマ、人参、赤キャベツの千切りに、醤油やライム、ミント等を使ったサワーなドレッシングとあえたもの。サラダの上には砂糖でコーティングしたピーカンナッツとグレープフルーツがのっている。独特の味わいのドレッシングと、ジューシーなグレープフルーツが食欲をそそってどんどん箸が進む。

slanted-door-cocktail2モスコミュール 12ドル(moscow mule $12)
ウォッカ、ジンジャージュース、ライム、ソーダをミックスしたモスコミュール。爽やかで昼下がりにちょうど良かった。

slanted-door-noodle海老のライスヌードル 16ドル(grilled wild gulf shrimp, rice vermicelli noodle $16)
これは典型的はベトナム料理なのだが、他のお店で食べるものとは別物と思うくらい完成度が高かった。米粉で作った自家製の細麺の上には、グリルした大海老がゴロゴロ。海老は最適に調理されており、手作りの春巻きも外側がサクサク。ソースは爽やかな酸味の中に、ちょっと甘みと魚のダシが効いている。美味しい。

slanted-door-steakフラットアイロンステーキ 27ドル(mesquite grilled niman ranch flat iron steak $27)
薪を使ったグリルで、牛の肩肉を焼いたもの。エリンギとポテトとアスパラの付け合わせに、自家製のソースが付く。肩肉というステーキには難しい部位ながら、肉の焼き加減が素晴らしく、中はかなりレアな状態だったわりに、とても柔らかく、かつ肉の旨味も感じられ美味しかった。

slanted-door-snap-peaスナップエンドウ 5.5ドル(Snap Pea $5.5)
付け合わせで頼んだスナップエンドウ。シャキシャキで色も良く新鮮。

さすが、2014年の全米一のレストランに輝いただけあって、お料理はどれも美味しかったし、サービスの人も感じが良くて、動きもスマートだった。店内はモダンで綺麗だし、シーフードのメニューも豊富で、ベイブリッジを一望できるロケーションも良いので、観光で来た方を連れて行くにもいいと思う。

slanted-door-view値段はやや高めと言われているが、立地条件などを考えると妥当な値段設定だと思う。もう少しカジュアルに食べたい場合は、スランテッド・ドアの裏側にOut the Door(アウト・ザ・ドア)という麺類などの軽食だけを扱うコーナーがあるので、そこで軽く食べるのもいいかもしれない。

オーナーのチャールズ氏の1冊目の本『Vietnamese Home Cooking』は彼の料理を家庭でも作れるようにフォーカスしたもの、2冊目の本『The Slanted Door』はレストランのアイコン的レシピを掲載しているようで、どちらも私が買ってみたいと思っている本だ。


サンフランシスコに住んでいる方にも、旅行者の方にも、どちらにもお勧めできる名店。席数は十分ある大きなレストランにも関わらず、予約で一杯で、良い時間帯は空いていないことがほとんどなので、事前の予約をお勧めする。

SF BiteBite’s評価(総合84点)

味 33点(40点満点)
コストパフォーマンス 16点(20点満点)
サービス 9点(10点満点)
雰囲気 9点(10点満点)
独創性 9点(10点満点)
清潔感 8点(10点満点)

The Slanted Door(サンフランシスコ・エンバーカデロ地区)

http://www.slanteddoor.com
1 Ferry Bldg, #3
San Francisco, CA 94111
(415) 861-8032
ランチタイム
MON-SAT / 11:00AM—2:30PM
SUN / 11:30AM—3:00PM
アフターヌーンティータイム
EVERYDAY / 2:30PM—4:30PM
ディナータイム
EVERYDAY / 5:30PM—10PM
予約はこちら