SPQR/エス・ピー・キュー・アール(イタリアン)総合85点

サンフランシスコ屈指のミシュラン一つ星イタリアン

spqr-entすっかり秋の装いになり、日も短くなったサンフランシスコ。そんなサンフランシスコでオシャレな路面店やカフェが集まる、フィルモアストリート沿いにSPQRはある。ここは以前に紹介した、東京にも進出しているイタリアンレストランの”A16”の高級バージョンの姉妹店にあたる。

オーナーはA16と同じく、シェリー(Shelley Lindgren)氏という女性で、ワインディレクターを兼ねている。彼女が選ぶイタリアンワインのセレクションは秀逸で、サーバーに好みを伝えればぴったりのワインを持ってきてくれる。ナパ・ソノマが近いこのサンフランシスコという立地上、通常カリフォルニアワインを扱っているのが一般的なのだが、一切扱っていないというのは潔い。バーカウンターには所狭しとイタリアンワインがびっしり並んでいる。

spqr-wineまた、2013年から、3年連続ミシュラン一つ星を獲得している。典型的なイタリアンというよりも、モダンイタリアンという感じで、メニューの解読も一筋縄ではいかないのだが、他では見ないようなメニューが多く面白い。

spqr-insideとても人気のお店で、かつ、狭くて細長い店内(カストロ地区にあるFrancesと同じような感じ)なのでいつも満席状態。予約無しに行くと入れないか、かなり待つことになるだろう。

spqr-red-wine赤ワイン カラフェ 33ドル(2009 Giovanni Terenzi Cesanese del Piglio Superiore Colle Forma $33)
好みを伝えて、サーバーに選んでもらったワイン。カラフェはハーフボトル量となっている。果実味は少なめで、土っぽい感じが強く、ブラックペッパーのスパイシーさがあるワイン。これがとっても好みで、行きつけのワインショップで同じものを探したが見つからなかった。リテールの価格が27ドルのようなので、ハーフボトルで33ドルは悪くない価格設定。

spqr-chicken-liver-mousseチキンレバームース 15ドル(chicken liver mousse $15)
テーブルに来た瞬間にガーリックブレッドの良い香りが漂う。とても柔らかいテクスチャーで、ホイップクリームのようなふんわりした口当たり。濃厚なチキンレバームースの上には赤ワインとリンゴのジャムと、ゼラチン上のバルサミコ酢がのっている。りんごの甘みを感じるやや甘めの仕上がり。赤ワインによく合って美味しい。

spqr-acorn-hamブロッコリーとキノコの前菜 20ドル(broccoli and hen of the wood mushroom $20)
舞茸と熟成ゴーダチーズで作ったコロッケのようなものに、生ハムと、数種類のブロッコリーがのっている。この生ハムは、どんぐりだけで飼育された、アメリカで年間100頭分しか生産されないという貴重な生ハムとのこと。柔らかくて、やさしい甘みと、ちょうど良い塩加減でとても美味しい。ブロッコリーのペーストで作ったピューレもいい感じにマイルドさを足してくれる。

spqr-squidink-pastaイカ墨のスパゲッティ 26ドル(squid ink spaghetti $26)
イカ墨を練り込んだ自家製パスタ麺。具には、柔らかく蒸し煮にしたイカの他に、ウニなどの魚介を使った贅沢な仕上がり。上にはガーリックブレッドのパン粉がのっていて、クランチーな食感を足している。A16でもこれと同じメニューがあるのだが、A16で食べたものよりも塩加減がちょうど良い。

spqr-bluecheese-pastaブルーチーズのブカティーニ 26ドル(bucatini “straw and hay” $26)
ブルーチーズソースのパスタは恐らく初めて食べたのだが、ブルーチーズが嫌みなく、濃厚なソースに仕上がっておりとても美味しい。中心に穴の空いた太麺のブカティーニはもちろん自家製。黄色と緑色の二種類の麺が入っており、もちもちの食感でソースによく絡んで美味。

spqr-aged-beefドライエイジドビーブ 56ドル(dry aged beef $56)
ドライエイジドビーフとは、乾燥熟成庫と呼ばれる庫内で20〜48日程度熟成させた肉のことで、高級なステーキハウスや拘りの肉屋で見かけるメニューだ。乾燥熟成させることで、より柔らかく、肉の味が濃厚になる。スイートポテトとそのピューレなどの付け合わせが付く。

spqr-aged-beef-2ドライエイジドされているお肉は、ジューシーというよりもチューイ(やや弾力がある感じ)できめ細かく身が詰まった感じ。肉の味をしっかり感じ、中に行く程レアで柔らかい。ドライエイジドビーフのステーキなので美味しくて当たり前なのだが、そこまで特別感は無かった。

spqr-dessert柿のデザート 14ドル(persimmon “torta” $14)
誕生日とか何かリクエストをしたわけでもないのだが、どこかのテーブルと間違えたらしく、キャンドル付きで運ばれてきた。柿を使ったパウンドケーキに、焼いたマシュマロ、柿のシロップ漬け、キャラメルジェラートが付く。このジェラートが甘くなく、ビターで口の中で消えるような軽い仕上がりで絶品だった。しかし、この小振りなケーキとジェラートに14ドルは高い。

お料理は評判通りの美味しさで、自家製麺のパスタも、もちもちしていて好みだ。他にはちょっとないような創作的なソースが多く、それがまた美味しい。パスタの美味しさで言えば、サンフランシスコではここSPQRか、ミッション地区にあるフラワー+ウォーター(Flour + Water)だろう。どちらも予約必須の大人気店なのだが、SPQRはより独創的、Flour + Waterはより正統派な印象で、甲乙付け難い。

ミシュラン1つ星だけあって、ワインの品揃えや、お料理がサーブされるタイミング、ウエイターのアドバイスなど、よく教育が行き届いているのが分かる。
spqr-seats今回この食事内容でチップを含めて2人で250ドルだった。テーブル同士の間隔が上の写真の通り非常に狭い、カジュアルな雰囲気とは裏腹に、お値段はしっかり。しかし、58ドルくらいでコースメニューもあったので、ミシュラン1つ星にしては良心的な価格設定。コースはフィックスタイプでほぼ選べないが、お会計としてはお値打ちになりそうだ。

サンフランシスコで屈指のイタリアンSPQRは、味、サービス、ワインと三拍子揃って、優秀なお店だった。

SF BiteBite’s評価(総合85点)

味 36点(40点満点)
コストパフォーマンス 15点(20点満点)
サービス 8点(10点満点)
雰囲気 8点(10点満点)
独創性 9点(10点満点)
清潔感 8点(10点満点)

SPQR(ロウワー・パシフィックハイツ地区)

http://www.spqrsf.com/
1911 Fillmore St
San Francisco, CA 94115
Mon – Sat 5:30 pm – 10:30 pm
Sat, Sun 11:00 am – 2:30 pm
Sun 5:30 pm – 10:00 pm
Phone number (415) 771-7779
予約はこちら