Coqueta/コクェタ(スペイン料理)総合90点

サンフランシスコ最高峰のスペイン料理

coqueta-entサンフランシスコには、美味しいスペイン料理店は無いと思っていた。今日このお店に行くまでは。

日頃から、美味しいスペイン料理店が無いことを私は嘆いていた。シーフードをふんだんに使ったスペイン料理は、日本人にも親しみやすく、東京には美味しいスペイン料理店がいくつかあったし、よく行ったものだ。しかし、サンフランシスコに来て以来、美味しいお店が見つけられずにいた(このお店のオープンは2013年4月なので、実際にそれ以前には無かったのかもしれないが)。

ところが、全米の食のアカデミー賞と言われるジェームス・ビアード賞で、このコクェタが、ベスト・ニューレストランのファイナリストに選ばれた(全米で5店舗のみ)というニュースが飛び込んで来たので、早速予約を取って行ってみた。ちなみに既に予約はかなり取りづらくなっている。

coqueta-table実はこのお店、セレブリティシェフのマイケル・チャレロ(Michael Chiarello)氏のお店。彼はアイアンシェフ(米国版・料理の鉄人)など、テレビでもお馴染みのスターシェフで、料理界のピラミッドの頂点に立つ人物だ。ナパバレーのヨントヴィルには、ボッテガ(Bottega)という超人気イタリアンレストランを経営している。しかし、彼はイタリアンのシェフで、スペイン料理ではない。
その点について彼はインタビューの中で、『普通、50歳で既に成功している人は、ポルシェなんかを買ってミッドライフ・クライシスを満足させたりするでしょ。でも僕は新しいキュイジーヌを学ぶことにした』なんてゆうジョークを言って説明していたが、頻繁に行くヨーロッパ旅行で、すっかりスペインにハマってしまった彼は、今までのイタリアンシェフとしてやってきたことを昇華させて、新たにスペイン料理に挑戦することとなった。

coqueta-inside訪問は土曜日の5時半、入口を入って右側がメインダイニング(上写真)、左側がバーとなっており、ともに既に満席状態。にもかかわらず、予約を一週間、間違えてお店に行ってしまい、予約が無いと言われる大失態。満席だから…と言われ、すごすご帰ろうかと思ったが、受付の方が計らってくれて、オープンキッチン前のカウンター席を用意してくれた。何とか席を用意してくれたことと、私にとってはオープンキッチンの目の前は、作る行程が見られるお気に入りの席なので、かえって嬉しい。

coqueta-inside2店内は高い天井に、お酒が一杯が詰まった鉄製の大きな棚があり、その下には薪が。テーブル席はオープンキッチンを囲むような配置になっている。入った瞬間に、バルセロナのオシャレなお店に入ったような気持ちになる。

coqueta-inside1壁には牛革のラグ、豚の絵も。

coqueta-cocktail1カクテル 12ドル(Farmer’s Market Punch $12)
ファーマーズマーケットと名のつく通り、季節によってカクテルの中身を変えているようだ。4ローズバーボンというウィスキーに、生のクランベリー、焼いた冬のスパイス類、ビールが入ったカクテル。ウィスキーとビールを合わせるとは珍しい組み合わせだが、飲むと美味しいのだから不思議だ。

coqueta-wine赤ワイン 14ドル(2011 Viña Ilusión Rioja, Tempranillo $14)
グラスワインは全て250mlのカラフェで出てくる。スペインのリオハ州のテンプラニーニョで、ベリー系の爽やかな飲み心地。また、このワイン含む、赤白3種類ずつのワインが瓶ではなく、Tap(樽から直接、蛇口へ)とメニューに書かれており、ビールで言うところの樽生状態となっているのも面白い。

coqueta-pintxosピンチョス 各2.5ドル(White anchovies, Chorizo, Quails egg “Diablo” $2.5 each)
この見ているだけで美しいピンチョスは、注文すると大きなプレートごと持って来てくれて、その場でグラスに置かれる。

coqueta-pintxos2右から順にチョリソー、自家製アンチョビとオリーブ、うずらの卵と生ハム。どれも、もっと食べたくなる美味しさ。特にうずらの卵が、中が半熟で、生ハムと合わさって美味しかった。

coqueta-jamonハモン・セラーノ 12ドル(Jamón Serrano house cured $12)
レストランの自家製生ハム。自家製以外にもバルセロナから輸入したものも置かれていた。わりと赤身部分が多く、まろやかな味わい。美味しい。今回2人だったので、単品でオーダーしたが、4人いればハムとチーズの盛り合わせプレート($38)がとても豪華で美味しそうだったので、次回オーダーしたいところ。

coqueta-calamariイカのグリル 10ドル(Whole Monterey calamari on the plancha $10)
サンフランシスコ近郊のモントレー産のイカのソテーに、アリオリソース(スペインでよく使われるにんにくの効いたマヨネースソースみたいなもの)にイカスミを加えたものが添えられている。中はレア状態に焼かれたイカは柔らかくてかつ香ばしく、とても美味しい。少し強めの塩加減もワインによく合う。サンフランシスコ近郊のレストランでよく見かけるフライドカラマリではなく、これが私が食べたいカラマリ料理だ。

coqueta-sunny-sideupサニーサイドアップ 13ドル(Sunny side-up egg $13)
半熟の目玉焼きに、海老、クリスピーなポテトが添えられ、チョリソーを使ったスパイシーなソースが敷かれている。全部ぐちゃぐちゃにして食べると、海老のプリプリさと、カリカリのポテト、柔らかい卵が合わさって食感も味も楽しい。

coqueta-octopusタコのグリル サービス(Wood-grilled octopus $12)
シェフからといって、サービスで出してくれた一品で、カッコ内はオーダーした際の値段。薪を使ってグリルされたタコは、驚く程柔らかく、それでいてジュースで、とても美味しい。上の赤いのはパプリカのパウダー。

coqueta-cocktail2カクテル 12ドル(Engine Co. #5 $12)
2杯目のカクテルは、タバコが抽出されたバーボンに、シェリー酒、レモン、スカラポテというスペインのサングリアに似たフルーツ入りワインドリンクを混ぜたもの。タバコ抽出のカクテルとは何ぞやと思ったが、意外とタバコは感じず、普通に美味しかった。やはりここのカクテルはクリエイティブだ。

coqueta-meatballsミードボール 12ドル(Grilled albóndigas $12)
鴨と豚のミンチをミックスさせ、グリルで焼いたミートボール。中はしっかりピンク色になるよう火入れされている。

coqueta-meatball-insideソースはチェリーと葡萄のテンプラニーニョを混ぜてピューレにしたもの。ソースがフルーツベースだったので、私にはちょっと甘過ぎたが、ミートボール自体の完成度は高かった。

coqueta-paellaパエリア 40ドル(Paella the classic, made with bomba rice $40)
2人前量となっているので、シェアして食べる格好。4つの大きな有頭エビと、あさり、チョリソー、パプリカ、根菜などがたっぷり入っている。通常パエリアはレモンを搾って食べるのが一般的だが、レモンのアリオリソースと唐辛子がついてきた(写真には写っていないが)。魚介とハムのダシが効いたスープで仕上げられた米と、別でグリルしていたエビ等のスモーキーなフレーバーが合わさって非常に美味しい。レモンのアリオリソースはホイップクリームのようにふわふわしていて、チョリソーの辛みが少しマイルドになる。底はしっかりおこげになっている。個人的にはもう少しだけ早く火から離して、焦げを減らして欲しいが、これは好みの問題かもしれない。久しぶりに美味しいパエリアを食べられて、大満足。

coqueta-apple-pieアップルタルト 9ドル(Asturian apple pie $9)
ここまでしっかり食べて、お腹もかなり満腹気味だったが、やはり美味しいレストランでデザートを外して帰るわけにはいかない。さっくさくのタルト生地に程よく焼かれたリンゴ、その上にはスペイン産のブルーチーズを使ったアイスクリームがのっている。ブルーチーズのアイスクリームは初めて食べたのだが、シャーベットのように軽い食感の中に、ブルーチーズのコクを感じる。このデザートも非常に美味しい。

coqueta-portポートワイン 13ドル(Ferreira “Duque de Braganca” 20-year-old Tawny Port $13)
デザートに合わせたのは20年もののポートワイン。5年程前にバルセロナの流行のレストランに行った時に、オシャレに着飾った、雑誌のレオンみたいなジェントルマン達が、みんなポートを飲んでいたのを思い出す。このポートがまた美味しい。リッチでフルーツの酸味もあり、かつ甘過ぎなくて、とても気に入った。ワイン評価紙でも93点や92点を出しているようで、地元でお馴染みのワインショップのK&L Wineで買えるようなので今度買って帰ろうかと思う。

coqueta-cheesecakeチーズケーキ 4ドル(Manchego cheesecake $4)
調子に乗って、更にバイト(一口サイズ)ゾーンにあったデザートを3種類を全てオーダー。一つ目はスペインのマンチェゴチーズを使ったチーズケーキにキャラメル入りホワイトチョコレートがかかって、キャラメルポップコーンが付いている。チーズの酸味とキャラメルの甘みのバランスが良く、美味しい。

coqueta-dessert-pintxos3つのピンチョス 4ドル(Trio de Pintxos $4)
二つ目はピンチョスのデザート版。右から順に、塩キャラメル、ブラッドオレンジのゼリー菓子、オリーブのキャンディチョコレートかけ。全てひと工夫されたデザートとなっていて、キャラメルはパプリカペッパーがかかり、ゼリー菓子はまわりが生ハムで、キャンディはオリーブを使ったものと面白い。ただちょっと塩気が強過ぎるゼリー菓子は好みじゃなかった。

coqueta-icecream-sandwichアイスクリームサンドイッチ 4ドル(Pan con chocolate $4)
三つ目はアイスクリームサンドイッチで、写真では分かりにくいが、ちょっと固めのスポンジ生地の上にオリーブオイルのアイスクリームと岩塩がのっている。さすがに満腹で、全種類は頼みすぎたかも。

お店の雰囲気は抜群、立地もベイ沿いでフェリービルディングからも近く、アクセス抜群、お料理は何を食べても美味しい。テレビの露出が高いシェフというと、私は少し引いてしまうタイプだが、彼はスペインのトラディショナルに従いつつ、上手くマイケル流/サンフランシスコ流にアレンジしている辺り、やはり優れたシェフだと思う。サービスも素晴らしく、付かず離れずのサーブ係も居心地がいい。パエリア以外にも、シェア用のお肉メニューなども美味しそうなものが沢山あったので、色々試すには4人で行くのが一番いいと思う。

ヨントヴィルのボッテガとワシントンD.C.から連れて来たというトップバーテンダーの作るカクテルもクリエイティブ。マイケルシェフ自身もワイナリーを経営していることもあってか、ワインもスペインとカリフォルニアのワインが豊富でセレクトが良く、価格設定も良心的。また、泡、シェリー、赤白ワインなど30種以上がグラスで頼めるレストランは中々無い。店内にはマイケルシェフのワイナリー『チャレロ・ファミリー・ヴィンヤード』のボトルも。

coqueta-chiarello-wine日本からの友人や出張者から、サンフランシスコでシーフードを食べたいというリクエストを貰うことが多々あると思うが、クラスタシアンのダンジネスクラブばかりではなく、こういった、総合的にサンフランシスコらしさが感じられるレストランも使うべきだと思う。お店の雰囲気はカジュアルなのに、サーブ係がシャツとベストでちゃんと服装を揃えているのもカジュアル過ぎず、日本からの客人を案内するのにちょうどいいだろう。

coqueta-outsideレストランを出ると、ベイブリッジと船が見えた。車に戻ったら、10分メーターが切れていて、あっさり駐車違反を取られていたのだが、それでもそんなに気にならないくらい気分が良かった。直ぐに次回の予約を探したくらい、センセーショナルなデビューだった。

SF BiteBite’s評価(総合90点)

味 35点(40点満点)
コストパフォーマンス 16点(20点満点)
サービス 10点(10点満点)
雰囲気 10点(10点満点)
独創性 9点(10点満点)
清潔感 10点(10点満点)

Coqueta(サンフランシスコ・エンバーカデロ地区)

http://coquetasf.com/
The Embarcadero, Pier 5
San Francisco, CA 94105
Phone number (415) 704-8866
Mon 3:00 pm – 10:00 pm
Tue, Wed, Sun 11:30 am – 10:00 pm
Thu – Sat 11:30 am – 11:00 pm
予約はこちら

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