Commonwealth/コモンウェルス(ニューアメリカン)総合89点

ファインダイニング並みの繊細なお料理をカジュアルに

common-ent良いレストランを見つけてしまった。
場所はサンフランシスコのミッション地区で、大人気中華料理店のMission Chinese(ミッション・チャイニーズ)の2軒隣にある。2010年の8月にオープンしたこちらのレストランは2011年に食のアカデミー賞といわれる全米のジェームス・ビアード賞でベストニューレストランのセミファイナリストになったくらい注目されているお店だ。昔ドーナツショップだったというお店の壁にはそのまま絵が残されている。

common-kitchenBar Tartine(バー・タルティーン)のエグゼクティブ出身のシェフ、ジェイソン・フォックス氏(Jason Fox)がエグゼクティブ・シェフ兼オーナーで、他にバー・タルティーンで同僚だった3名が共同オーナー。

common-insideこのレストランの素晴らしいところは、まるでファインダイニングのような繊細かつ本格的な料理を、白いテーブルクロスのかかった豪華なお店ではなく、より若年層にもフィットするカジュアルな雰囲気で、かつ随分お値打ちに食べられることである。地元紙の料理評論家はこのシェフはCoi(コイ)やManresa(マンレサ)といったミシュラン2つ星のファインダイニングでシェフをしていてもおかしくないくらいの人物で、そういった本格的なシェフがよりカジュアルな雰囲気のお店のオーナーとなることを選ぶのは最近のトレンドであり、コモンウェルスはその先導者だと評している。
common-menuメニューはシンプルで6品のテイスティングコース75ドル(内10ドルは地元チャリティ団体に寄付、ワインペアリングの場合は115ドル)もしくは単品(11ドル−18ドルのレンジ)が12種類程といった感じ。食材はもちろん地元産を使用している。

common-wizardsカクテル 13ドル(Wizard’s Sleeve $13)
液体窒素で作られたシャーベットのようなカクテル。単にカクテルをシャーベット状にしたのではなく、液体窒素を使うことにより通常よりも超低温で作られているため、氷の粒子がとても細かい。その結果、驚く程スムーズでクリーミーなシャーベットとなっている。まるでデザートを食べているようだが、お酒がしっかり効いているのでそんなこともない。中身は日本酒・アールグレイ・ライムで、上に乗っているのはカカオニブというチョコレートになる前のカカオ豆を砕いたもの。

common-sodaハウスメイドソーダ 3.5ドル(Housemaid Soda $3.5)
ライムとバニラビーンズが入ったちょっと甘めのソーダ。上に乗っている黒い粒々がバニラビーンズだ。ちょっと私には甘過ぎたと思う。

common-chipsハウスメイドチップス サービス(Housemaid Chips with Malt Vinegar)
こちらはサービスでサーブされる自家製チップス。海苔のチップスに、大麦ビネガーの泡状ソースを付けていただく。ビネガーが良くマッチしている。

common-saladグリーンストロベリーのサラダ 13ドル(green strawberries $13)
まだ熟していない緑のイチゴに、ゴーダチーズ、水菜、ブラックラディッシュ、フェンネルを使った珍しい前菜。この黄色の粉はミツバチと花粉をイメージしたもののようで、カレーに使うスパイスが含まれているためちょっとカレー風の味がする。意外な組み合わせながら全体がまとまっている。

common-sea-urchinウニの前菜 16ドル(sea urchin, corn and tapioca fritter $16)
この一品が見た目にも美しく、味も最高に美味しかった。ウニの下はコーンとタピオカで作ったフリッターなのだが、これがとってもサクサクで、クリーミーで濃厚なウニとの食感が楽しい。白いシャーベットのようなものはトマトの水気を使ったグラニタ状のソース。

common-squidイカと豚バラ肉のソテー 15ドル(squid and pork belly $15)
このシェフはフレンチやアメリカン等、各国の料理のテイストを取り入れているというが、これはまさに和食だと思う。シェフがBar Tartine出身なので、それも不思議ではない。この豚バラ肉はまさに角煮のような味で、イカはとても柔らかくしっとりとしているが、味付けは日本風。これに半熟卵、スモークしたポテト、ピクルスオニオンと数種類のハーブが乗っている。

common-young-hen若い雌鳥のメインディッシュ 14ドル(young hen, carolina gold rice $14)
これも最高に美味しかった。雌鳥は非常に柔らかくてモイスチャーで、丸く形取られた肉の外側は香ばしい皮が巻かれている。添えられているソースは3種類で、灰色の焦がし茄子のペースト、トマトのゼリーのようなソース、もう1つの灰色のソースはいか墨かと思ったが違っていて、スモークした唐辛子で、全然辛くなくて言われなければ全く分からない。今まで食べたことが無いようなソースなのだが、これが雌鳥と相性抜群でとても美味しかった。

common-mousse焼いた蜂蜜のムース 9ドル(Burnt Honey Mousse $9)
表面を液体窒素を使って固めた蜂蜜味のムース。表面を砕くと中はクリーミーな仕上がりとなっている。common-mousse1添えられているフルーツはアプリコットとブラックベリーで、白いシャーベットはミルクのグラニタ、それにホワイトチョコレートシュトロイゼルという、バター・小麦粉・砂糖・シナモン等を混ぜて粒状のサクサクお菓子と一緒に頂く。味は割とあっさりで、食感も楽しい。

ここのお料理は何を食べても美味しく、ソース1つとっても非常に手が込んでいることが分かる。また、他のどのレストランとも違う、各国の要素を取り入れたニューアメリカン料理を作っている。ただし、アメリカンといっても、多国籍料理なので、いかにもアメリカっぽいものが食べたい旅行客の方にはあまり向かないかもしれない。

あと、ポーションは決して多くないので、アメリカっぽい量の多さを期待すると期待外れとなると思うが、その分値段もお値打ち(メインディッシュであればファインダイニングの半額以下)に食べられ、比較的小食の日本人にとっては良いだろう。

私はこのお店の独創性と繊細なお料理ながら、年に数回の記念日にしか行かないようなお店ではなくて、こういった日常使い出来る様にしているところが好きだ。
是非、コモンウェルスにはテイスティングメニューでもう一度戻ってきたいと思う。

SF BiteBite’s評価(総合89点)

味 36点(40点満点)
コストパフォーマンス 17点(20点満点)
サービス9点(10点満点)
雰囲気 8点(10点満点)
独創性 10点(10点満点)
清潔感 9点(10点満点)

Commonwealth(サンフランシスコ・ミッション地区)

commonwealthsf.com
2224 Mission St
(between 18th St & 19th St)
San Francisco, CA 94110
(415) 355-1500
Mon-Thu, Sun 5:30 pm – 10 pm
Fri-Sat 5:30 pm – 11 pm
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